埋蔵量10億トンの冀東南堡油田が台頭を始めている。すでに探査され尽くした試掘区域で、意外にもまたこのような大型の油田が発見された背景には、どのような秘密が隠されているのだろうか。中国が再び、このような大型油田を発見する可能性はあるのだろうか。人民日報海外版はこのほど、中国石油勘探開発研究院の鄒才能副院長(総地質師)に話を聞いてみた。 ■新思考が大油田の発見を促す ――南堡油田はすでに探査され尽くした試掘区域で発見された。この発見はどのようにして実現したのか。 渤海湾は古い試掘区域だし、冀東もそうだ。今回の発見にはカギとなる要素がいくつかある。第1に科学的決定、第2に技術進歩、第3に組織力、第4に理論的指導だ。 理論的指導は特に重要だ。今回の重大な発見は中国大陸相の地質理論「源控論」「複式油気集中帯理論」の継承、発展、革新であり、「富油気凹陥富集地質理論」による指導のたまものだ。 21世紀になって、中国の陸上油層探査は地質構造と岩相層序の双方を重視する新段階に入った。一部の盆地では岩相層序の油層探査という新時代に入り、その重要性は次第に高まっている。剰余資源の潜在性から分析して、岩相層序の油層は今後相当期間、中国の陸上油田探査にとって最も現実的で、最も重要な分野であり続ける。冀東南堡はこの新思考の指導の下で発見されたものだ。 探査の実践は、旧思考を続ければ古い試掘区域に出口はないが、新思考を採用すれば間違いなく道が開けるということを再び証明した。 ■石油探査理論で世界をリード ――中国は岩相層序の油層探査の理論研究において、どのような革新を遂げ、どのような地位にあるのか。 陸上構造油層の探査がさらに困難になり、石油?天然ガス埋蔵量が徐々に減少している状況の下、大規模な岩相層序油層の発見は、状況緩和の必然的選択となっている。 「第10次五カ年計画(2001~05年)」中、中国石油は「岩相層序油層地質理論と探査技術」の確立を目指し、断層盆地、陥没盆地、前地盆地、クラトン海盆の4種類の盆地、砂利岩、炭酸塩岩、火山岩の3層をめぐって系統的研究を行い、理論、技術革新、生産効果の面で重大な成果を上げた。われわれの独自開発による岩相層序油層探査のコア技術は、全体として世界の先端水準にある。 系統的に確立された地質理論と国内外の同類の研究を比較すると、重大な革新があり、中国の陸上油田探査に止まらず、全世界の岩相層序油層探査に対しても指導的な意義をも持つ、石油工業界の地質理論におけるまた1つの重大な革新だ。 ■新たな視点で旧試掘区域を探査 ――他の古い試掘区域でも岩相油層理論を採用すれば、次の大型油田が出現する可能性があるか。 ここ10年間、世界における埋蔵量増加の70~80%は歴史ある試掘区域によるもので、中国もこの例外ではない。古い試掘区域は一般的に石油?天然ガスの豊富な窪地にあり、過去数十年間は主に構造を探査していた。今後は方向が変わる。剰余資源は主に隠れた岩相内に閉じ込められている。 例えば中国西部のジュンガル盆地の北西端では50年間探査が続けられ、10億トンの埋蔵量が確認されているが、今後さらに十数億トンの埋蔵量が確認される可能性がある。 南堡油田の発見は始まりに過ぎず、新たな認識で古い試掘区域を探査する必要がある。現在われわれが取り組んでいるのは、岩相の思想で中国全体の石油?天然ガス資源を再評価することだ。初歩的な実践では、冀東だけで埋蔵量が4倍に増加した。われわれは現在、評価を進めており、将来性はかなり明るく、間違いなく増加するというのが結論だ。 「人民網日本語版」2007年5月15日 |