このほど、中国国内の古手の投資コンサルティング会社と投資ファンド、銀行、証券、保険会社の共同調査による『07年中国金融財テク商品投資者調査報告』が発表されました。報告書は、今、中国で全国規模の投資ブームが巻き起こっていると指摘しています。中国は改革開放初期に、全国規模の商売ブームに続いて、その後、不動産投資がブームになりました。今回は、これらに続いて起こった三回目の全国規模の投資ブームだと言われています。 2006年、中国の株式市場は堅調な展開となり、値上がり幅が300ー400%に達した株が数多く現れ、また、投資ファンドにおいても、収益率が100%を上回ったものや、初公募を行った結果、たちまち百億元規模に膨らむものも現れ、投資家にとって朗報の続いた一年でした。 このほかにも、外貨為替レートの取引や、不動産投資、金に対する投資などがどんどん盛んになり、これまで民間に眠っていた巨大な資金が資本市場に絶え間なく流れ込んでいます。 今月初めに発表された統計データでは、中国の株の投資者は8700万人を超えたことを明らかにしました。また、今年の1ー3月まで、A株市場(中国国内投資家限定の人民元で取引される市場)で新規申し込みをした口座数は474.09万で、平均すれば一日あたり8.62万件となり、過去最高を記録したことが分かりました。 最近、一般投資家向けの投資入門講座や情報番組などが次から次へとメディアに登場し、どこの銀行に行っても、各種様々な投資商品のパンフレットが目立つところに置かれてあり、資産運用に対する社会の注目度と情熱が高まっていることを実感させられます。 サラリーマン層が投資家の主体に 共同調査によりますと、中国の財テク商品の投資家は、サラリーマン層が主体を占めています。 年齢別では、30歳以上のサラリーマンが8割を占めているが、1980年以降に生まれた若い投資家も著しく増える傾向にあります。 職業別では、85%以上の投資家は金融業と関係のない仕事をしています。 また、投資家の世帯ごとの年間可処分所得では、5万元(75万円)以下が31.6%、5万元ー10万元(75ー150万円)が39.4%、また、10ー20万元(150ー300万円)が18.3%とそれぞれ占めています。専門家は、投資家の年収が10万元前後(日本円約150万円)に集中していることは、資産運用の意識が社会に普及し、サラリーマン層が財テクの主力になっていることを物語っていると見ています。 さらに、投資目的については、54%の投資家は「資産のインフレ?ヘッジと付加価値を生みだす」ことをあげ、このほか、24%の人が「老後への備え」、10%の人が子供の教育、さらに、医療に備えることや、マイカーとマイホームの購入などを挙げた人もいます。 一方、投資期間について、6割以上の人が1年未満の短期的な財テク商品に投資しています。投資期間が3年以上の人は一割未満となっています。 投資ブームが沸き起こる背景 先ずは、中国経済の好調が背景として上げられます。中国のGDPは四年連続、二桁の成長率を保ち、2006年の成長率が10.7%に達しました。中でも、年間売り上げが500万元(7500万円)以上の工業関連企業の利益が四年連続、25%の伸びを保っています。 次に、中国の株式市場は10年近い低迷状態が続いた後、ここ数年は、人民元の切り上げや、貿易黒字の拡大と資金流入の急増、及び資金流動性の過剰感などでかつてない活況を見せています。国有銀行の相次いでの株式化改革と上場、社会保障基金や保険基金、外資投資基金の中国市場での上場なども、中国の株式市場の取引を活発化させています。 |