先般、ブルームバーグに掲載された文章の中では、中国の物価上昇と輸出製品の値上げは、まもなく世界的なインフレが訪れる前兆である可能性があるとの見方が示されている。これは、米国、イギリスからインドまで多くの国の中央銀行が金利の引き上げを行われなければならないことを意味するもので、また、グローバル化の代償ともなろうとしている。 長い間、中国は世界にとってずっと安価商品の生産工場であった。数十年らい、中国からの安価な輸出製品は世界的物価上昇を効率的に抑えると同時に、主要工業国の中央銀行が長期にわたり低い利率あるいはゼロ金利政策を維持することにもつながり、これはこのラウンドの世界の経済成長の主な要因の1つでもある。 しかし、この状況には静かな変化が起こっている。中国の輸出商品は安価な時代に別れを告げつつある。世界経済の成長が加速しているこの時期、中国の物価上昇は世界的インフレの引き金となる可能性がある。 米国商務部のデータによると、5月の中国からの輸入商品の平均価格は前月比0.3%上昇し、6月はさらに0.3%上昇した。 アラン?グリーンスパン元米連邦準備理事会(FRB)議長は、これは中国の輸出商品の値上げを告げるものであると語った。氏はまた、中国の輸出商品の値上げは世界的インフレ発生の前兆でもあると警戒感を示している。 各国の中央銀行および通貨政策立案者たちはあの手この手で物価を抑えようとしているが、その他の国の価格上昇の影響は彼らの仕事の複雑さを増している。現在、経済のグローバル化はすでに世界のすみずみまで浸透しており、大規模な国にまたがる貿易および資本の越境流動はすでにコントロールできないものとなりつつある。 不本意であるにもかかわらず、イングランド銀行(イギリスの中央銀行)やニュージーランドの中央銀行はいずれも再度の利上げに踏み切らなければならないと見られている。この方法の効果は理想的ではないが、グローバル化の今日において、彼らにとってこれ以外の選択肢はない。 利上げはすでに1つのブームとなりつある。世界を巻き込んだ新しいラウンドの金利引き上げサイクルがまもなく始まることになろう。 「今や、単に国内の通貨政策だけで、物価上昇を抑えることは極めて難しいこととなっている」。「これらの中央銀行の総裁たちは、インフレに対応する常套手法はすでにその効果を失ったことを認識しつつある」、とモルガン?スタンレー駐イギリスチーフエコノミストのジョアチム?フェルズ氏は語っている。 「チャイナネット」2007年8月2日 |