今日は、北京五輪開催あと一周年の日にあたる。ずっと注目の的となっている北京五輪の開幕式は、一体にどのようなものになるのかは、今でも未知数。それに対する期待は人によってまちまちだが、願いは共通したものである――北京五輪の開幕式は世界の人々に美しく、忘れがたい思い出を残すことができるようにと。 このほど、「もっとも目にしたい北京五輪の開幕式は?」という大掛かりなオンライン調査が行われ、8月1日までに2312人の回答があったが、そのうちの36.21%は、「中国の歴史、特に漢代と唐代の輝かしい歴史を目にしたい」というものであった。 確かに、中国の悠久な歴史と深みのある文化を誇りと思っている人々が圧倒的に多いが、中国エレメントが乱用されるのではないかと懸念する声も上がってきた。北京大学オリンピック文学協会の郭暁春会長は、アテネ五輪閉幕式における張芸謀監督が演出した8分間の演目について、「服装は最低。舞踊も特色を欠く。特に太ももを露出したチャイナドレスを着て琵琶を演奏する場面、俗っぽいことこれに極まれりだ。ファッションショーに出てくるようなモダンな女性など、媚を売るようなものは(開幕式)ごめんこうむりたい」と、率直に私見を語った。 武漢市の王という人も、「開幕式における中国エレメントの乱用を最も憂慮している。たとえば、京劇のエレメントをあまりにも多く利用したら、かえって視覚効果が悪くなる。伝統な文化と関連のあるものは、必ず出さなければならないが、それにはやはり工夫が必要で、ステレオタイプに提示するようなやり方は禁物だと思う」とした。 深せんの許という人も、「バラエティ番組では、長袍や馬掛(清代の服装)などの服装をよく見かけるが、これは怖いと思っている。こうしたものは、確かに外国人の目を釘付ける効果はあるが、中国のイメージにとってはマイナスの影響となるのではないか」と見ている。 04年五輪を成功裏に開催したギリシアの人々は一般には、「北京五輪の開幕式が魅力的なものとなり、アテネ五輪のように成功を収めるよう」と願っている。多くのギリシアの人たちは、中国もギリシアも、悠久な歴史と文化を持つ国であり、歴史上、中国文化は世界文明の発展の過程に深遠な影響を及ぼしたことがある。北京五輪の開幕式は、西洋的なものではなく、鮮明な中国の特色に富むものとなり、中国の歴史と文化を上手に表現したものとなるべきであると見ている。 中国文化に夢中になり、中国語を数年間勉強してきたタジスという人は、アテネ五輪の閉幕式における張芸謀監督の演出が気に入らないみたい。彼は「ミニスカート姿の女の子たちの踊りばかりで、その意義が見出せない。中国の赤色、チャイナドレス、赤い提灯などのは、孤立した中国のエレメントに過ぎず、これらは中国の文化と歴史を反映することはできず、中国式のハリウッド風のショーにすぎない」と語った。 数回中国を訪問したことがある学者のコリストス氏は、「監督は開幕式の構想を練る際に、ハリウッド風の演出をもって西洋の観客をひきつけることばかり考えないで、中国の歴史と文化の深みを表現できるものを考えるべきである。中国はビッグな団体公演が得意なので、北京五輪の開幕式はきっと成功するに違いない」と語っている。 写真は張芸謀監督が演出したアテネ五輪閉幕式における8分間の演目 「チャイナネット」2007年8月8月 |