北京五輪は来年の8月8日に開催されます。開催まで、いよいよ残り1年を切った今、北京五輪の経済効果などに関する議論も盛んになっています。 一) 北京五輪の開催にはどのぐらいの費用がかかり、どのぐらいの収入が入る見込みなのか? 今年年頭に行われた記者会見で、北京五輪誘致委員会の蒋効愚副議長は次のように話しています。 「北京オリンピックの予算案については、以下のような方針があります。先ずは、北京市及び北京市民に余計な財政的リスクをもたらさないこと。次に、財政及び関連サービスの質がIOC?国際オリンピックにリスクをもたらさないこと。三つ目、実現可能な収支のバランスを確保することです。 これらの方針に基づいて、北京オリンピック組織委員会の予算案を制定しました。その結果、収入はおよそ16億2500万ドル、支出は16億900万ドル、1600万ドルの利益が見込まれています。」 北京は五輪誘致に成功した後、五輪開催で上がった利益の一部をアフリカのスポーツ事業の振興に当てることを約束しました。「収支のバランスを取った上で、やや利益が出る」。これが、北京五輪組織委員会の基本的な考えのようです。1600万ドルの利益とは、つまり、収入の1%ほどを利益の目標にしているということです。 二) では、北京五輪の収入源はどうなっているのでしょうか。また、現在の資金調達の現状はどうなっているのでしょうか。 北京の五輪開催が決まった後、数年間の準備とマーケットの開拓を経て、現在は、予定以上のクライアントを得て、収入は当初の予定より増加する事が確実だと見られています。 五輪の経済効果を専門に研究している団体?「北京五輪経済研究会」の陳剣副会長の話です。 「北京五輪組織委員会の収入源は主として、以下の部分からなっています。 先ずは、テレビの放映権収入です。IOCが北京オリンピック組織委員会に対して認可したテレビ放送権の収入は8億3000万ドルに達し、各項目の収入において、この部分が最も大きい収入源となっています。 二つ目は、IOCが北京五輪組織委員会に譲渡した市場開拓による収益。全部で3億3400万ドルあります。 三つ目は、北京五輪組織委員会のマーケット開拓による収益金です。この部分は放映権に次ぐ金額となる見込みです。当初の目標は4億ドルでしたが、企業の反応はよく、予想以上の成果があがりました。このほか、入場券や記念グッズの販売収入、それに中国政府の財政援助、寄付金なども収入源になります。 現在の情況から見れば、北京五輪組織委員会の収入は20億ドルを超えることは間違いないのではないでしょうか。」 当初の目標以上の資金を集めることができたようですね。これには、中国経済が順調に発展し、数多くの海外の企業が中国の今後の潜在力に期待をしていることと切り離せないと言えますよね。 三) オリンピックの開催は北京にどのような経済効果をもたらすのでしょうか。 一般市民の目から見ますと、北京の町並がどんどんきれいになり、緑が増え、都市が目に見えて変貌しました。また、地下鉄の拡張工事も進めていて、出かけることが以前よりも更に便利になることは確実です。 では、オリンピックの投資により促された投資市場や消費市場はどのぐらいありますでしょうか。 |