第17回党大会の会期中、ある小さな事実が多くの人々を感動させた。10月16日のことだ。12歳のちびっ子記者からの「わたしたちの通学カバンは、どうしてまだこんなに重いんですか」との質問に、教育部の周済部長は「党大会報告は小中学生の授業負担の軽減にも言及しているよ」と答えたのだ。国家の発展の方向と民族の発展の未来に着目する党大会報告が、なんと小学生の通学カバンにまで関係しているというこの小さな事実は、民生問題への党大会報告の重視姿勢をありありと物語るものだった。 政治?経済?文化の視点から観察しても、あるいは社会?国防の面から判断しても、党大会報告が打ち出した政策には、一里塚的な意義があるといえよう。億万の民衆にとって、報告中の「民生」に関する内容ほど、彼らを喜ばせるものはない。これまでの党と政府の重要な文書や報告でも、教育?就業?社会管理など民生に関わる多くの問題は、常に重点的に記され、強調されてきた。一方、今回の党大会報告は教育?就業?所得分配?社会保障?医療衛生?社会管理といった、民衆が最も関心を持ち、最も直接的に関係し、最も現実的な事柄である民生の6大分野について、わざわざ単独な問題として詳しく論述し、民生改善の理念と政策方針を初めて系統的に示し、民生改善を重点とする社会建設の加速という全景を描き出している。これまでにない力の入れようだ。 経済成長に偏った「発展」から人民本位の「科学的発展」へと、民生時代の到来は、施政理念の変化の中で体現されている。生活用品の不足という経済状況の下、経済建設を着実に進めることは、当時の実情に沿った発展の論理だった。人々の生活が衣食にも事欠く状態から、いくらかゆとりのある状況へと改善されると、教育?医療?社会保障といった公共サービス面の新たな不足が日増しに顕在化した。この時に中国共産党が政策の重点を民生に向け、特に「人民本位」を強調したことは、時期と情勢を判断し、時代に合わせて進む上での、必然的な産物だった。 第17回党大会報告において「民生」概念を教育?就業などの6大分野に細分化した時、民生改善という党の重点事業は、推進加速の段階に入った。農業税の撤廃から農民の作付補助まで、最低賃金制度から最低生活保障まで、物権法の制定から廉価賃貸住宅制度までと、中央はここ数年来、一貫して民生を高く重視し、大量の業務を行ってきた。第17回党大会において、党大会報告の形で、あるいは「科学的発展観」、および「経済建設」「政治建設」「文化建設」「社会建設」の4つのことを一体化した中国の特色ある社会主義事業の全体計画を党規約に盛り込む形で、制度的な定格を与えたことは、民生改善の新たな段階の開始を示すものである。 民生問題の解決は、長期間にわたる漸進的な歴史プロセスだ。第17回党大会の精神の導きの下、そして党と政府による全力の推進の下、民生改善の熱いうねりが各地に沸き起こり、より多く、より良い変化が庶民の生活に現れるに違いない。 「人民網日本語版」2007年10月24日 |