年初に、中央政府は農業の総合生産能力強化の方針を打ち出した。この方針に基づき、今年は国が一連の措置を講じて夏に収穫される食糧の豊作の確保および農民の収益増などに力を入れてきた。年末にかけて、社会主義新農村の建設は党全体と全国の共通の行動指針となっている。年末を控え、政策の実行状況を点検してみると、今年の「三農(農業、農村、農民)」問題への取り組みは5つの成果を収めたと言える。 ▽食糧1000万トンの増産が食糧生産農家に多大なメリット 中国発展改革委員会の推定では、2005年の食糧生産量は4億8000万トンを上回り、昨年の3875万トンの増産に続いて1000万トンの増産を達成した。 中国農業発展銀行筋によると、現在湖北、江西、安徽、四川、湖南などの省において、晩稲最低買い上げ価格の政策が始動しており、農業発展銀行が資金面でサポートし、政府指定の食料買付企業の食料市場での一定価格による買い付けを維持することが主な内容となっている。この政策の実施は中国では初めて。 ▽国は「給付増額、徴収金引き下げ、政策緩和」の方針を打ち出し、農民の収入は持続的に伸び 「農業税」という言葉はもはや歴史の遺物になろうとしている。中国財政部の金人慶部長はこのほど、年末には8億の農民は農業税納付の必要がなくなると明言している。 今年、国が取ったざまざまな農業支援の政策と措施は、農民の農業生産の意欲を引き出し、農業と農村経済が望ましい発展の勢いを保っている。中国国家統計局のデータが明らかにしているように、第1四半期~第3四半期の農民の1人当たり現金収入は2450元に達し、実質11.5%増となり、都市部住民の収入の増加幅を上回ることとなった。 ▽新農村の建設の面でさらに多くの財政資金による「3農」サポート 政府は150億元の専門資金を財政困難な県?郷クラス人民政府に交付すると同時に、新たに農業総合開発資金を捻出して食糧主要産地に傾斜させ、そのうえ農村労働力に対する就業訓練、貧困扶助開発、災害防止や被災地域への救済支援にさらに力を入れることになった。 ▽総合生産能力の建設の面で農業の生産性が大幅に向上 農業部によると、各地域が積極的に品質の劣る品種を淘汰し、一般品種を圧縮し、良質農産物の栽培に取り組んでいる。これによって、食糧、経済作物、飼料の3元的構造が初歩的に形成されている。野菜、果物、茶、花卉、漢方薬草などの園芸製品が急速に発展し、農業の構造改革において目を引く存在となっている。 現在、河北、山東、河南の3省における良質小麦の作付面積はすでに全国のそれの46%を占めている。アブラナ、落花生、ダイズはそれぞれ長江流域、黄河?淮河流域および東北地域に集中することになり、東北地域の良質トウモロコシの作付面積は全国のそれの32.8%、長江流域のアブラナの作付面積は同84%、河北、山東、河南三省の牛肉の生産量は同36%を占めるに至っている。 ▽20以上の省で品質安全モニタリング制度、農産物の品質が向上 有機食品行動計画の実施を中心として、各地域は積極的に農産物生産地域の環境、生産プロセス、投入物管理、品質追跡および市場進出許可などの面でモニタリングを強化し、農産物の安全性のレベルを大幅に向上させている。 農業部市場司筋によると、現在までのところ、全国において農産物品質安全モニタリングを始動させた省はすでに20以上に達し、農産物品質安全モニタリング制度が一応構築された。 「チャイナネット」2005年12月16日 |