上海市には1920~30年代にかけて、石庫門や庭園型など風格の異なる住宅が数多く建設された。こうした建造物は上海風の代表的作品として一世を風靡したが、歳月の流れとともに、すでに7、80歳の“老境”に。こうした歴史建造物を修復?保存し、都市の歴史や文化を温存するのが今、世界的な動向だ。 上海市不動産資源局は、徐匯や盧湾、長寧、静安、虹口など8区に点在する計30カ所の歴史ある建造物を修復する予定。すでに盧湾区で長楽新村や歩高里、長寧区では兆豊別墅や静安別墅の修復作業に着手している。その他の建造物については現在、計画案の策定または施行前の準備をしているところ。 工事内容については、それぞれの個性を重視。建造物ごとにその風格や使用状況に基づいて修復案を策定するなど、保護方法に新機軸が打ち出されている。作業は「最も厳格な保護制度」、4文字で概括すると「整旧如旧」(古きもののもとの様子を維持する)の方針で実施される。 修復工事を請け負う虹口区虹房集団の張遠豊総経理は「保護建造物の修復方法は一般の工場や家屋の修繕とは全く異なる。壁面について言えば、青レンガや赤レンガの瓦葺きや、混水スタッコ塗りなどがある。先ず、高圧水力採掘機で壁面を細部にいたるまで洗浄し、垢を取り除いた後に、破損部位を修復したうえで専用の保護剤を塗布しなければならない」と話している。 完成までに要する時間は2年。今回の修復工事では、建造物の外観のほか、水道や下水道、電話回線などライフライン機能についても“大動脈の更新”が行われる予定。 「チャイナネット」2005年8月25日 |