人民政治協商会議全国委員会(全国政協)が主催する「21世紀フォーラム」2005年会議が5日、北京の全国政協礼堂で開幕した。中国科学院「持続可能な発展戦略研究チーム」の責任者?首席科学者の牛文元氏は会議で、中国が今世紀の発展の中で避けることのできない試練として、次の6点を挙げた。 (1)今後30~40年の間に、人口の3大ピーク(労働年齢人口、高齢者人口、総人口のピーク)を迎えることになる。総人口は現在すでに13億人に達しており、今後20年以上は出生人口が年間約1千万人で推移するとみられる。 (2)現在の発展段階において、常軌を逸した大量のエネルギー?天然資源が消費されている。昨年の世界経済に対する中国の貢献度は4.3%だが、中国が消費した石炭の量は世界総量の30%に上る。鉄鋼は27%、アルミは25%、セメントは40%。こうした消耗の多い粗放的な資源利用は急に抑えられるものではなく、今後20~30年程度は尾を引くとみられる。 (3)生態環境の全体的な悪化傾向がまだ続いている。 (4)都市化が大きな負担になっている。中国では現在、年間1200万~1300万人が農村部から都市に流入しており、こうした傾向は今後30~40年間は続くと見られる。 (5)発展の地域差を縮小し、農民、農業、農村をめぐる根本的問題を解決する必要がある。 (6)持続可能な発展に必要な能力を全面的に構築し、国力を養う必要がある。 牛氏は、こうした試練が中国の発展を大きく制約する要因になると強調。中国が健全な発展を真に実現していくには、持続可能な発展を目指す科学的発展観の推進が不可欠だとした。 「人民網日本語版」2005年9月7日 |