社会の発展と変化に伴って、教師が好ましいと考える生徒像もこれまでと異なってきた。30年前は、「人の師となる道は厳かで尊ぶべきものである」という基準で判断し、「授業中は、手を後ろに回し、45分間ずっと静かに師の話を聴き、話をしない」というおとなしい生徒が教師にもっとも好かれたものだ。しかし、「大学入試調査」のデータでは、現在の教師がもっとも好ましいと考えるのは、まじめに授業を聞き、よく勉強をする(73.8%)、活発で外交的(48.1%)、自立的で自分で行動でき、よく考える(45.7%)生徒という順になっている。 現在の教師は、ますます若い人が多くなってきて、保護者たちは年の若い教師は経験が足らないと心配するが、若い教師の考えは活発で、授業の仕方も斬新であり、児童?生徒と打ち解け合うこともたやすいようだ。遼寧省実験中学の趙国棟先生は、次のように言う。 「現在の子どもたちにはその個性を大事にするようにしている。砕けて言えば、彼らの面子をつぶさないようにすることだ。同級生の前で、「バカ」や「頭が悪い」などと言えば、彼らはとても我慢できない。彼らが十分に力を発揮できていないとき、私は「頑張れ!君はもう十分よくできている。しかし、もっと頑張れる!」ということにしている」 また、趙先生は、「あるとき、体育の課外活動のとき、生徒と一緒にバスケットボールを練習していて、思わず時間を過ぎてしまった。以前、子どもたちは体育の課外活動で時間を超過したことで、私に叱られたことがあった。その結果、今度は私が彼らと一緒に時間超過したので、みんなにアイスキャンデーをおごるということになった。」という。記者は「本当におごったのか?」と疑った。教師がクラス全員にアイスキャンデーをおごるなど信じられないことだ。これまでの考え方では、教師は尊敬をうける権威を備えているものであり、教師を痛めつけるなんて想像もできない。 「当然だ。時間を守らなかった場合は罰せられる、この規則は私が作ったものだ。私は率先して規則を遵守しなければならない」趙先生は笑いながら言った。趙先生はこのように、子どもたちからも親しみを込めてあだ名で呼ばれる物理の教師であるが、今年先生の引率した生徒が、全国物理オリンピックで遼寧省に唯一の金メダルをもたらした。 「人民網日本語版」2007年9月11日 |