わが国はすでに106万平方キロの国土についての生態科学調査を完了した。これらのデータはこれらの地域の持続可能な発展にとって非常に重要である。2010年までに、わが国は6大河川流域についての生態科学調査と全国の化学元素図を完成する予定である。 地球の生態科学調査は、地質学の分野では「地球の遺伝子プロジェクト」と呼ばれており、地質学と化学を結びつけた方法で地球表面の生態系を全面的に調査し、化学元素図を完成するもの。この調査は農業、環境、海洋、鉱業の実地調査などの分野の持続可能な発展にとって非常に重要な意義を有する。1999年に始まった国土資源の調査において、わが国は初めて広域の生態化学調査をスタートさせ、現在21の省(自治区)でこの調査が行われており、一部地域における有益あるいは有害の化学元素の分布の法則をはっきりさせ、人口が密集し、経済が発達している一部地域では、土壌の汚染がひどくなり、有害元素が地方病の発生の誘因となり、農産物の汚染を深刻化させ、人間の健康に危害を及ぼしている。同調査の結果は中央と地方政府の高い重視を受け、多くの地方では対策措置を講じている。 わが国の地質化学調査の専門家、中国科学院の謝学錦院士(アカデミー会員に相当)は、一部地域の汚染の深刻化は現在の粗放型の生産パターンと関連があり、石炭などの資源の消費量の増加により、大気汚染や酸性雨の発生をもたらし、土壌の中のカドミウム、水銀、鉛、ヒ素などの重金属の放出を加速し、土壌の「毒性化」を深刻化させている。わが国は2回目の多目標区域生態化学調査を始動させており、中央と地方はこの調査プロジェクトについての資金投入を増やし、調査と研究の成果の転化を促し、重点地域でモデルプロジェクトと観測?予報システムを構築すると同時にインターネットにおける情報プラットフォームをつくり、平原、盆地、デルタ地帯、海岸地帯、高原、草原などの重要な農業地域の地球化学分布の特色を社会に向けて公開し、サービスを提供することにしている。 「チャイナネット」2006/12/22 |