魯迅生誕125周年を記念するため、魯迅が唐の詩人銭起の『帰る雁』を書き写した筆跡がはるばる日本から上海に送り届けられ、9月17日から上海の魯迅記念館で初展示されることになった。 この筆跡は魯迅が日本人友人の児島亨氏に贈ったものであり、これまであまり知られていなかった。書き写された『帰る雁』という詩の全文は、「潇湘何事等閑回,水碧沙明両岸苔。二十五弦弾夜月,不勝清怨却飛来」である。この筆跡には期日が記されていないが、学者の考証によれば、1934年8、9月頃に書かれたものと見られる。 児島亨氏のもとの名は中村亨で、1933年6月に上海の内山書店に勤務し、魯迅と知り合った。当時、魯迅は千愛里3号の内山完造寓居にかくまってもらっていた。その間、児島亨氏は魯迅の面倒を見ていたので、魯迅は感激の気持ちと友情から、この詩を書き写して児島亨氏に贈った。児島亨氏はこの漢詩を表装して掛け軸にして、大切に保存し、その後、日本に持ち帰った。 児島亨氏が逝去した後、遺族の人たちがそれを保存していた。今年は魯迅生誕125周年にあたるので、児島亨氏のご息子、日本福山市日中友好協会理事の佐藤明久氏が上海対外友好協会の招きで上海を訪問した際、わざわざこの大切な魯迅の筆跡を携えて来られ、上海の魯迅記念館で約一カ月間展示することで、魯迅を偲ぶ気持ちを表すことにした。 今年は魯迅逝去70周年でもある。この魯迅の大切な筆跡の展示は、上海の魯迅記念イベント?シリーズの目玉となっている。 「チャイナネット」2006年9月22日 |