「2010年まで、中国は外資導入額最多の新興市場国の地位を保ちつづけることになろう」。これは、先般発表された世界の海外直接投資(FDI)に関するレポートの中で示された見方である。同レポートは、今年の中国の外資導入額は昨年の791億ドルから865億ドルに増えると予測している。 このエコノミスト?インテリジェンス?ユニット(EIU)とコロンビア大学国際投資プロジェクトとの協力で作成された『2010年の世界投資展望』というレポートの中で、「中国に流れ込む海外直接投資は高い伸び率を保ち続ける。一方、いくつかの要因が予期される海外投資の中国流入に影響を及ぼす可能性もある」という見方が示された。 このレポートは、外国投資が大量に中国からコストがさらに低い地域にシフトするリスクは小さいが、人民元相場の上昇幅が予想をはるかに上回る場合には、外資の流入が阻まれることになると見ており、そうなれば、2010年の中国への外国からの投資は800億ドルに反落するとしている。 投資セット資金を含めて、2010年の中国の年間外資導入額は1000億ドルをはるかに超え、その時の中国の外貨準備高は2兆ドルに達する見通し。ちなみに、7月末現在の中国の外貨準備高はすでに9545億ドルに上っている。 このほか、レポートはまた、今年の世界全体の海外直接投資は22%増の1兆1650億ドルに達し、2010年には1兆4070億ドルになるという見通しを示している。しかし、2010年以前の海外直接投資の年間伸び率は10%以下に急低下すると見ている。 2006年の世界全体の海外直接投資総額は22%増の1兆2000億ドルにはね上がり、2005年の9550億ドルを上回り、2000年来の最高水準となる。 しかし、新興市場への投資の減速や工業化諸国の外資による買収?合併(M&A)への抵抗などの原因で、その後の数年間は伸び幅が縮小する傾向となる。海外直接投資は2010年にようやく2000年の1兆4000億ドルの過去最高額に回復する。 2010年以前に、世界全体の海外直接投資の大部分は依然としてアメリカをはじめとする発達した経済体へ流入する。「今年の新興市場の外資導入額は前年比2.8%増の4106億ドルとなり、一方で、発達した経済体へ流れ込む海外投資は前年比36%増の7543億ドルに達する」、とこのレポートは予測している。 「チャイナネット」2006年9月13日 |