中国唯一の野生のフタコブラクダ飼育センター――甘粛省の「絶滅の危機に瀕する動物研究センター」によると、野生のフタコブラクダは現在世界ではわずか800頭しか残っておらず、そしてその頭数も減少しつつあり、絶滅に瀕している。中国領内には500頭が生息している。 伝えられるところによると、同センターは1992年から6頭の野生のフタコブラクダを捕虜して保護し、10年余りの研究を経て、人工繁殖を加えて16頭にも達している。 同センターの獣医李岩さんによると、野生のフタコブラクダは我が国の西北地区とモンゴルに生息している。海抜2000~2300?のゴビ砂漠や山間盆地、或いは海抜2400~2900?の山麓地帯で砂漠や荒漠の植生をエサとする大型動物である。 2005年9月、甘粛省砂漠対策研究所の科学調査チームが庫木塔格(クムタグ)砂漠の奥地で野生のフタコブラクダの群れを意外にも発見した。その後、野生のフタコブラクダの群れが再び発見されたという情報はいっさいない。 同センターの研究者によると、現在まだ効果的な保護措置がなく、それに繁殖もかなり時間がかかるため、野生のフタコブラクダの頭数は依然として減少しつづけており、ジャイアントパンダよりも珍しい動物となっている。自然環境の変遷で野生のフタコブラクダの生息する草地の範囲が引き続き縮小する一方で、人口の増加により開墾の範囲も拡大しつつあり、野生のフタコブラクダの飲み水の水源地が破壊されている。そのほか、人間による捕食も野生のフタコブラクダの頭数が減少する一因となっている。現在、我が国では人々の野生動植物に対する保護意識の強化につれて、野生ラクダの捕獲はもうほとんど見られなくなっている。 「チャイナネット」2006/10/10 |