さまざまな文化の背景と言語を持つ中国の少数民族の人々は現在、人口の最大多数を占める漢民族の人々と同じように、世界の先進的な文化の成果を汲み取ることができるようになっている。中国国家新聞出版総署図書司の王英利副司長は、「われわれは、最新の内容が盛り込まれている書籍を、最も速いスピードで少数民族の人々の手に届け、彼らの生活と仕事の面で役割を果たすことができるよう力を入れている」と語った。 現在、少数民族の言語で書籍を出版している出版社の数は、1978年の17社から38社に増えている。これらの出版社は、14の省?自治区に分布しており、政治?経済?文化?科学技術などの分野の書籍を出版している。人口が割合に多い少数民族が集中的に居住している地域では、すべて自民族の文字で書籍を出版している出版社がある。各民族出版社が出版した書籍の文字の種類は、1978年の5種類から現在の23種類に増え、文字を持つ少数民族はすべて自民族の文字で出版された書籍を持っている。データによると、2004年には5474種類の少数民族の文字の書籍が出版され、印刷部数は6300余万部にも達する。 民族書籍の緻密な発行ネットワークも、辺境地域に位置する少数民族地域への書籍の普及に役に立っている。現在、内蒙古、広西、チベット、寧夏、新疆などの省?自治区の少数民族地域では、発行機構が400ヶ所、発行拠点が5000ヶ所に達し、従業員も1万人を上回るに至っている。 また、少数民族の書籍刊行業の発展を促すため、中国は1300万元の専用資金を拠出し、チベットの13の県及び重要な開港窓口で書籍の販売ネットワークを整備することになっている。 近年、チベット学、蒙古学、西域文化、ナシー族の古代文化などは、世界でもホットな研究分野となっている。少数民族の人々に自民族の最も関心が寄せられていることについてより多く知ってもらうため、中国は、多くの学者や専門家を招請し、これらの分野の文化現象について積極的に研究し、関連民族の文字で書籍を出版している。 1997年から、中国は経済が発達している地域の出版社とチベット人民出版社との協力を促すことになった。経済が発達している地域の出版社が資金を拠出するとともにリスクも負担し、チベット人民出版社が出版の素材を提供し、収益は双方で分け合うというモデルになっている。現在、このモデルで出版された書籍は35種類に達し、多くの書籍はさまざまな賞に輝いている。2006年から、この協力モデルは民族地域で全面的に実施されることになっており、これによって少数民族の人々が閲覧できる書籍の数と質もさらに向上するであろうと見られている。 「チャイナネット」2006年6月22日 |