中国の西北部にあるモウス砂漠の周縁に位置する陝西省定辺県の白泥井鎮と海子梁郷の人たちは、かつて黄砂にさいなまれ、他の地に移住しなければ生きていけない状況に追い込まれていたが、現在では我が国西北部の重要な野菜生産拠点となり、野菜の年間出荷量は18万?に達している。 前世紀の70年代から土地の砂漠化につれて、地元では風や砂地に強い大麦やハダカムギなどの穀物しか収穫できず、小麦のような麺類食品は贅沢品と見なされ、お正月の時だけ食べられるものとなっていた。 1984年に砂の害をいやというほど味わってきた海子梁郷農場の石光銀農場長は砂地での植樹造林を請け負い、中国の砂漠対策第一人者となった。20数年来、石さんは合わせて21.7万ムー(15ムーは1?)を整地し、2000万株あまりの木を植え、モウス砂漠の南側で長さ100?近くの緑色の障壁をつくりあげた。 石さんの指導のもとで、地元の農民も相継いで植樹造林や草の栽培に取り組み、生態環境の改造に力を入れ始めた。今ではこの村の林地面積は1.6ムーに達し、そのうちの1.2万ムー以上は新規増加の林地である。植生面積の増加は生態系の回復をもたらした。「ここでもトウガラシが栽培できるなんて、昔は想像すらできませんでしたよ」と村民たちは語っている。 2003年から地元政府は二カ所の野菜卸売り市場をつくり、毎年5万?のトウガラシと8万?のジャガイモやその他の野菜2万トンを売り出し、売上額は6600万元に達している。現在、白泥井鎮の農民は野菜情報協会を組織し、全国に40あまりの事務所を設けて野菜類の取引をおこなっている。 2005年、白泥井鎮の農業生産額は2.2億元を上回り、一人当たりの純収入は2125元に達している。野菜栽培は地元最大の基幹産業となり、農業総収入の80%を占めることになった。 「チャイナネット」2006/07/17 |