国際月探査ワーキンググループ(ILEWG)の主催する「第8回国際月探査利用会議」が25日、初めて北京で開かれた。中国の宇宙開発部門である国家航天局の孫来燕局長(中国国防科学技術工業委員会副主任)は会議で、中国が進める月探査プロジェクト「嫦娥計画」について、第1段階に当たる月周回探査プロジェクトが順調に進んでいることを明らかにした。試作機の開発はすでに完了しており、打ち上げは来年の予定。北京の日刊紙「京華時報」が伝えた。 孫局長は「嫦娥計画」について、次のように説明した。 月探査機「嫦娥1号」の各部品は、すでに試作機の製作と検査が完了し、システム系の構築やテストの段階に入っている。探査機には、CCD(電荷結合素子)カメラ、レーザー高度計、高エネルギー粒子探測器など7種類の測定機器が搭載される予定。月面探査に向けては、月の表面を模した4種類の模擬地面をつくり、さまざまな条件における月面の明るさ、温度と土壌の厚さとの関係を研究。月面探査では、これらのデータを基に、月面の土壌の厚さと表面物質の電気学的特性を推定する。また、「模擬地面」は、「嫦娥1号」の負荷実験や模擬月面実験の試験場建設にも役立てられている。 国際協力について、月探査プロジェクト責任者によると、中国、日本などの国が、今後2年以内に4つの月探測機を打ち上げる予定。これらのプロジェクトの間で相互の情報交換を図り、探査内容の重複を避けたい。中国の月探査プロジェクトに関するデータも、適切なルートや提携を通じて、国際社会に公表されることになる。 「人民網日本語版」2006年7月27日 |