中国の対外貿易総額は昨年の1兆4000億ドルの大台突破という勢いに乗って、今年の上半期、さらには昨年同期比23.4%増の7957億ドルとなり、貿易黒字も614億ドルに達した。ところが、商品の構成、企業の構成、貿易方式などの面で、まだ数多くの問題点が存在しており、貿易大国である中国は、まだ貿易強国とは言えず、見た目の輝かしい数字の裏には、実際に手にした利益は多くない。 確かに、数字だけから見ると、中国の対外貿易の商品構成はすでにかなり理想的なものとなっている。初級製品の輸入は輸出を遥かに上回り、輸出品の構成では既製品、特に機械?電子類の製品の比率が圧倒的に大きい。上半期の機械?電子類製品の輸出総額は2440億ドルに達し、輸出総額の57%を占めるに至っている。そのうち、ハイテク製品の輸出額は1235億ドルとなった。また、機械?電子製品、ハイテク製品の輸出の伸び幅はそれぞれ30.5%と32%となり、輸出総額の伸び幅である25.2%を明らかに上回っている。対外貿易企業のランキングには、既製品、特にIT関連企業の数が多くなり、順位も向上している。 ところが、外資系企業主導、加工貿易主導という対外貿易の二つの特徴は、以上の数字の輝かしさを色褪せさせることになっている。2005年輸出入企業ベスト500のランキングと輸出企業ベスト200のランキングでは、外資系企業、国有企業とその他の企業の割合はそれぞれ60.8%と62.5%、28.2%と28.5%、11.0%と9%となっている。加工貿易が中国の対外貿易の中でのウェートは、ずっと一般貿易より大きく、上半期の一般貿易の総額は3422億8000万ドルであるのに対し、加工貿易の総額は3748億3000万ドルである。外資系企業の主導的な地位は、中国の対外貿易の発展のメリットが主に外資系企業により占有されたことを意味し、加工貿易の主導的な地位は、中国が膨大な輸出の中でわずかな加工費を手にし、大部分の利潤は得意先の儲けとなっていることを意味する。また、中国の企業は、このわずかな加工費のために激しい競争を繰り広げ、価格を競って下げることは、中国が世界における反ダンピングの最大の標的となることにもつながっている。だから、対外貿易の構造の調整は、すでに正念場に差し掛かっている。 もちろん、われわれは時代の流れの中で上述のマイナス要素を全面的に考えるべきだ。外資系企業が主導的な地位を占めると同時に、国内企業の貿易額も増加している。外資系企業が大部分の利潤を占有しているとはいえ、少なくともこれまでの中国の雇用や国際収入?支出の面でプラスの役割を果たしてきた。そして、発展の過程で先進国?地域に経済的なメリットをもたらす段階は発展途上国にとっては避けて通れないものである。とはいえ、外資系企業が中国でこれほど顕著な主導的な地位に立っているのは、国内企業よりもかなり優遇的な待遇を受けていることも重要な原因の一つである。われわれは国内企業のために外資系企業と平等な発展環境を作り出し、国際分業の中で下流の位置に甘んずることなく、外資系企業との格差をできるだけ早く縮めなければならない。 「チャイナネット」2006年8月1日 |