陝西省西安市郊外で発掘作業中の2千年余り前の大型陵墓が、専門家の1年余りにわたる調査の結果、秦始皇帝(前259~前210年)の祖母の「永眠の場所」であることがほぼ確認された。 専門家によると、この陵墓はこれまで中国で発掘された中では二番目の規模で、4本の墓道も持つ陵墓としては国内最大だ。戦国時代から秦時代への移り変わりの中で造られたという歴史的な位置付けから、古代の陵墓制度の変遷、特に秦始皇帝陵の建設や規格、制度などの研究にとって、高い学術的価値がある。 陵墓の面積は約260畝(17.3ヘクタール)で、西安財経学院の新キャンパス内に位置する。東西310メートル、南北は550メートルで、外周には堀が設けられ、内側には突き固めた土の壁が築かれ、四方には一種の装飾として望楼(物見やぐら)も備えられている。内部は塀で南北2つの区画に分けられて、南側は建物の跡がある。北側は、南北が410メートルあり、スロープになった4本の墓道を持つ大型の墓があり、周囲には10余りの副葬墓が見つかった。 この陵墓の主について、専門家は昨年、文献や秦国の陵墓に関する規則などから、秦始皇帝の祖母に当たる夏太后である可能性が高いとみて調査を進めてきた。2つの副葬墓の発掘では、皇帝にのみ許される6頭立ての馬車2台が見つかった。これは、墓の主が皇帝またはそれに次ぐ高い身分であったことを示している。さらに、多くの玉器や金銀細工、字の刻まれた陶器などが相次いで出土している。中でも、陶器に記された文の中にある「私官」の2字は、墓の主が始皇帝の祖母である可能性を一層裏付けるものという。 「人民網日本語版」2006年8月1日 |