国務院は7月27日、「天津市都市全体計画 (2005年~2020年)」の修正案に同意した。この計画により明確に示された、天津市の都市としての性質、位置づけ、発展のポイントは以下の通り。 天津市は環渤海湾地域の経済の中心である。今後、天津市は経済、文化、科学?教育が発達し、設備が完備された美しい環境を持つ国際的な港町となり、また北部の経済中心都市、エコ都市となるよう、少しずつ建設を進めていかなければならない。 位置づけを昇格――3方向から都市の性質を変更 新計画の大きな特徴として、天津市の都市としての位置づけを昇格させたことが挙げられる。1999年8月に認可?実施された天津市全体計画において明確にされた位置づけは、「天津市は環渤海湾地域の経済の中心で、今後、天津市が現代的な港町となり、中国北部の重要な経済中心都市となるよう努力していかなければならない」というものであった。一方、新計画では以下の3方向から天津市の都市としての性質と位置づけの変革を行っている。 まず、「現代的な港町」から「国際的な港町」に昇格している。天津港はすでに大規模な港を抱えており、2005年の貨物取扱量は2億4千万トン、コンテナ取扱量は480万TEU(標準コンテナ換算)に達し、世界第6位に入った。航路は世界180の国と地区の400以上の港を結んでおり、国際的な港を建設する基礎と条件を兼ね備えた、中国北部の物流ネットワークの重要な窓口となっている。 次に、「中国北部の重要な経済中心都市」から「北部の経済中心都市」に昇格している。ここでの「経済中心都市」とは、地域の金融、貿易および生産者向けサービスなどの多種機能を受け持つ都市のことを指し、また大きな資金導入能力、周辺地域への影響力、総合サービス能力を持ち、周辺地域の経済的な発展を導く都市になることを指す。 3つめに、「エコ都市」を建設するという目標を増やしている。天津市は山?河?湖?海をすべて抱え、湿地も多く、豊かな自然生態資源がある、全市にはクラス、種類の異なる8つの自然保護区があり、保護区の総面積は全市面積の13.67%を占める。去年末、天津は直轄市の中で初の国家環境保護模範都市となり、エコ都市を建設するための基礎を固めた。 明確な分業――北京と天津、互いのメリットを生かす 2005年1月に開かれた国務院常務会議において、「北京市都市全体計画 (2004~2020年)」が原則可決された。この計画の中で、北京が中国の首都、政治?文化の中心であり、世界的に有名な古都であるとともに現代的な国際都市であることが明確に示された。一方、今回の天津市の全体計画の同意に対し、国務院は、天津市の建設計画には京津冀(北京?天津?河北省)地区の発展計画とのバランスに注意しなければならないと強調した。特に北京市の発展との調和には注意が必要で、互いにメリットを生かしつつ、バランスの取れた発展を実現し、これにより首都、環渤海地域、および北部地区へのサービス機能を向上させる。このことで京津冀地域、特に北京と天津の2都市における分業が明確となった。 天津は空港と港をもち、中国北部の国際的な空運センター?物流センターの機能を兼ね備えている。一方北京は天津と港を共有し、空港同士の協力関係は引き続き強まっている。北京オリンピック前には北京―天津間を片道30分で運行する路線が開通する。これにより両市の経済協力関係はさらに密接になり、それぞれの役割を果たすことになる。 |