建設部、商務部、国家発展改革委員会、中国人民銀行（中央銀行）、国家工商行政管理総局、国家外匯管理局はこのほど、「不動産市場における海外資本の参入?管理の規範化に関する意見」を共同で公布した。海外資本の市場流入を規範化するとともに、海外からの短期運用資金（ホットマネー）による国内不動産の投機?転売行為を制限するもの。関連の問題について、建設部など6部門の責任者が説明した。主な内容は次の通り。

〈海外資本による非居住用不動産の購入は、投資として管理〉

海外にある機関や個人が中国国内にある不動産を非居住用として購入する場合、転売やリースなどの経済活動を行うことが目的であり、これは投資行為にほかならない。そうであれば法律に従って外資系企業の設立を申請する必要があり、許可された範囲内でのみ経済活動を行うことができる。海外の投資家は外資系企業の投資に関する法律の規定に従って、「外資系企業批准証書」および「営業許可証」を取得しなければ、不動産の開発や関連の経済活動を行うことはできない。

このほど企業の登録資本金の下限が引き上げられた。投資総額が1千万ドルを超える外資系不動産企業の場合、登録資本金の投資総額に占める比率は50％以上でなければならない。

〈海外資本の株式購入による市場参入は主管部門が厳格に審査〉

外資系企業が株式を購入するなどの方法で不動産市場に参入する場合は、商務主管部門などの厳格かつ規定に従った審査を受ける必要がある。外資系不動産企業において中国側と海外側とが、どちらかに確定リターン（形を変えた実質的な確定リターンを含む）を保証する約款を交わしてはならない。

海外投資家が株式の移譲やその他の方法で中国国内の不動産企業を合併?買収（M＆A）する場合、または合弁企業の中国側保有分の株式を買い取る場合、従業員への補償と銀行の債務処理を適切に行うとともに、自己資金で譲渡金の全額を一度に支払わなければならない。この規定により、従業員と銀行の合法的権利の保護や、経済?社会の秩序の維持をはかる。

〈外資系企業と中国資本企業との融資政策を一本化〉

▽外資系不動産企業が登録資本金を全額納付していない場合、▽「国有土地使用証」を取得していない場合、▽開発プロジェクトの資本金がプロジェクト投資総額の35％に満たない場合――は、いずれも国内?海外からの融資を受けることができない。この規定により、外資系不動産企業と中国資本企業とに対する関連政策の一本化をはかる。これは不動産市場の安定に必要であるとともに、海外からの短期運用資金（ホットマネー）による国内不動産の投機転売を防止するための措置。

外資系不動産企業が上の条件を満たさずに海外からの資金を受け入れた場合、外国為替管理部門は当該資金の登録や決済を認可できず、外為業務取扱い指定銀行も当該資金の預かりや決済手続きを行えない。

〈海外の機関?個人の不動産購入で実名制を採用〉

海外の機関や個人が投機?転売を目的として不動産を違法に取得することを防ぎ、不動産関連情報をより正確に掌握するため、中国居住者の不動産購入方式と同様、規定に合致した海外の機関?個人が不動産を購入する際の実名登録制を採用する。海外の機関または個人が自分自身の居住用の分譲マンションを購入する場合、海外の機関は中国国内の支店?代表機関設立に関する中国関連部門の認可証明書を、個人は中国国内での1年以上の留学?労働を認める証明書を取得している必要がある。各地方の不動産所有権の登録管理部門は、海外の機関?個人からの不動産所有権登録申請があった場合、実際の居住の有無を厳密に区分したうえで手続きを受理する方針だ。

〈海外ホットマネーによる不動産投機 熱は北京に〉

モルガン?スタンレー、メリルリンチ、シティ?バンク、ゴールドマン?サックス証券、リーマン?ブラザーズ証券などの大型国際資本が、ここ数年間に中国国内でさまざまな不動産投資を行っており、投資先は主に北京や上海などの経済が発達した都市に集中している。今年第1四半期（1～3月）には外資による国内建築物の購入額が45億ドルに達し、わずか3カ月で昨年の総額を抜いた。新華社が伝えた。

「北京晨報」によると、外資による国内商用不動産投資のトレンドは上海から北京へと急速に移りつつある。北京市投資促進局の7日の発表によると、今年1～6月期、海外ファンドが同市内の商用不動産購入に投じた資金は60億元に達した。

「人民網日本語版」2006年8月10日