チベット自治区発展改革委員会の何本雲副主任は5日の記者会見で、青海?チベット鉄道が開通した7月1日から同月20日までの間、同自治区を訪れた観光客は30万人を数え、前年同時期に比べ40%増加した。一方、今年1月から6月までの累計は60万人で前年同期比9%の伸びに留まっていた。何副主任は、青海?チベット鉄道の完成により、チベットの自力発展への能力は根本から強化されると指摘。チベット経済は、外部からの資源分配を受ける「輸血型」から、自力で市場システムに参加する「造血型」への転換が進むとみる。 青海?チベット鉄道の開通によるチベット経済へのプラス効果について、何副主任は次の6つを挙げている。 (1)意思疎通や交流、輸送力などの便利な条件により、中国経済におけるチベットの地位が向上する。 (2)チベットの経済発展にかかるコストが減り、さまざまなインフラ事業による今後の効果発揮が期待される。 (3)チベットの産業構築、特色を生かした経済活動が促され、今後の発展が見込まれる新興文化産業などで人的資源や資金、技術などの導入が期待される。 (4)人的資源、物資、資金、情報の流れが次第に農村部に広がり、チベットの農家?畜産家の増収や富裕化への道が開け、人々の生活が質的に改善する。また、鉄道沿線で小規模都市の発展が促される。 (5)対外開放が進み、南アジアに向かう陸上交通のルート整備が促される。中国南西部の経済?貿易エリアの構築や、国境周辺部の貿易活動の発展が加速すると見込まれる。 (6)チベットの生態環境保護、資源の合理的開発、経済成長モデルの転換などに新たな理念が持ち込まれることで、新たな技術、手法の形成が期待される。 「人民網日本語版」2006年8月7日 |