オーストラリアを公式訪問中の温家宝総理はキャンベラで3日、「平和発展路線を堅持し、世界の平和と繁栄を促す」と題する重要な演説を行った。演説の内容は次の通り。 中国の総合的国力の高まりに伴い、中国がどのような発展路線を歩むのか、国際社会に対しどのような責任を負うのか、世界の平和と繁栄のための安定したパワーになれるのかという問題に、国際社会は広く関心を寄せている。 中国が歩んでいるのは、平和的発展の路線だ。中国は確固不動たる姿勢で平和的発展の道を歩む。これは、中国の歴史的?文化的な伝統、自国の発展の必要性、そして現代世界の発展の潮流によって、決定づけられたものだ。平和発展路線の堅持はその場限りの方策ではなく、中国の政府と人民による厳粛な選択であり、約束である。 中国は世界において、実際の行動によって責任ある役割を発揮している。概括すると、これは次の10分野に表されている。 (1)中国は社会の生産力発展と人民の物質的?文化的な生活水準の向上を強く重視し、人類進歩の促進に尽力している。 (2)中国は実践経験の総括を通して、科学的発展の道を歩んでいる。 (3)中国は独立自主の平和外交政策を遂行し、事柄そのものの理非曲直によって自国の立場を決定している。 (4)中国は揺るぎない姿勢で世界平和を守る。中国は国際システムの参画者、擁護者、そして建設者だ。 (5)中国は近隣国との善隣友好とパートナーシップを図る姿勢を堅持し、周辺国の良き隣人、良きパートナーとなっている。 (6)中国は紛争の平和解決を主張し、重要問題の処理において建設的な役割を発揮している。 (7)中国はテロ対策?不拡散の協力に積極的に参与し、全世界の安全と戦略的安定の維持に努めている。 (8)中国は世界貿易機関(WTO)加盟時の承諾事項を適切に履行し、公平で自由な国際貿易体制の構築に尽力している。 (9)中国は国連ミレニアム開発目標を真摯に実行し、発展途上国に対し誠実無私の援助を提供している。 (10)中国は防御型の国防政策を遂行し、世界の軍縮と軍備抑制事業を推進している。 中国は世界の平和と繁栄に一層の貢献を果たしていきたい。このために中国は、まず発展を加速させるひつようがある。発展してはじめて、中国は自国の問題を解決することができ、世界において一層の責任を負うことができるのだ。中国は大きな進歩を遂げたものの、依然として発展途上国であり、発展に向けた課題は大きく困難だ。現代化の実現までには、なお長い道のりを歩まねばならず、数世代、十数世代、ないし数十世代にも及ぶたゆまぬ奮闘が必要だ。 平和的発展は全人類の共同事業であり、調和の取れた世界の構築は各国民の共通した願いだ。人と人との和合、人と自然との調和、国と国との平和共存の実現には、国際社会が共に努力する必要がある。われわれはオーストラリアを含む国際社会と手を携えて協力し、平和が持続し、共に繁栄する調和の取れた世界を構築したい。 「人民網日本語版」2006年4月4日 |