長江、黄河、瀾滄江の水源地である、青海省の三江源自然保護区の生態保護プロジェクトが第11次五カ年計画(2006~2010年)綱要に組み入れられた。計画綱要では、第11次五カ年計画期間における三江源生態保護プロジェクトの目標が明確に提起されている。計画では国の第11次五カ年計画期間に三江源自然保護区整備重点工事によって938.65ヘクタールの整備を完了するとしている。第11次五カ年計画綱要では、三江源の草原、湿原、湿地生態機能区内で草地の封鎖育成を実施し、放牧家畜量を減少させて湿地を拡大し、水源の畜水を保証することによる草原退化防止を打ち出している。三江源自然保護区生態保護、重点整備工事実施の内容は、樹木削減草地拡大644万ヘクタール、減反造林草地拡大6500ヘクタール、山地封鎖樹林育成、土地砂漠化防止、湿地保護、水源涵養、黒土湿地整備80万ヘクタール、鼠害処置209万ヘクタール、水土流失整備5万ヘクタールである。 この数年、自然要素と人為的要素により、重要な戦略的地位を有する「中華の給水塔」と言われる三江源自然保護区の生態環境が年を追って悪化している。青海省の水土保持に携わっている専門家は、三江源自然保護区はわが省における土地砂漠化が最も深刻な地区である、と指摘している。初歩的な統計では、三江源自然保護区「黒土湿地」面積は約1.2万ヘクタール、土地砂漠化面積は2.5万ヘクタールで、さらに毎年5.2万ヘクタールの速度で拡大している。同時に、三江源自然保護区の新増水土流失面積は2100ヘクタールに上り、黄河と長江の青海省内における砂運搬量は、それぞれ8814万?、1232万?に達している。 このほか、三江源自然保護区の数多くの湖沼面積が縮小或いは枯渇し、生物種分布地域も縮小しており、生物種によっては絶滅に瀕するなど生態悪化の兆候が見られる。さらに鼠害、虫害面積が日を追って拡大し、今では6000万ヘクタールを超えている。 2003年、国務院は計画面積1523万ヘクタールの三江源国家級自然保護区の設立を認可した。2005年下半期、青海省の水利、環境保護、農業牧畜、林業、気象などの各部門は共同で三江源生態監視測定作業チームを組織し、三江源地区の奥地にまで入り、初歩的に資源監視測定の整合と生態監視測定システムを確立した。今回、国が三江源生態整備を第11次五カ年計画に組み入れ、水土保持を国民経済と社会発展計画綱要の中に盛り込み、国家生態保護の重点にしたことは初めてのことである。 「チャイナネット」2006/04/14 |