「第11次五カ年計画」要綱では、国際収支均衡の達成は、「第11次五カ年計画」期の中国が目指す経済社会発展の主要な目標とされている。これは、国際収支の均衡を図ることはすでに中国の経済政策の重要な方向付けとなったことを意味する。近年、中国の貿易黒字が急速に伸びており、外貨準備高も持続的に増加している。2005年を例にとれば、年間貿易黒字は1000億ドルを上回り、外貨準備高は年末に8189億ドルに達し、いずれも史上最高記録となった。 国際収支のアンバランスはすでにマクロ経済運営において際立った問題となっている。国家外国為替管理局筋は、当面中国の国際収支は依然としてリスク対応能力を保っているが、国際収支における輸出超過型のアンバランスが顕著であるため、国際収支の均衡を図ることは、国民経済の急速で質の高い発展を保つ上で、重要な意義を持つという見方を示している。 近年の貿易黒字の急増の背景にある貿易成長方式の転換はすでに急務となっている。中国の貿易は依然として量的成長を主とし、規模拡大の道を歩んでおり、このままでいくと規模の維持ができなくなるだけでなく、貿易均衡、為替レート政策と経済コントロールなどの面で諸外国からのさまざまな制約を受けることになり、経済、金融及び産業の安全性が確保できなくなる可能性がある。いくつかの有力者は、経済効率を中心にし、いくつかの地方の「輸出拡大で業績アップを図る」という偏った意識を改め、貿易成長方式を転換することによって、中国の貿易、為替レート政策及び経済運営などの面で諸外国からのさまざまな制約を受けている状況を一変させることができると指摘している。 2006年の国民経済及び社会発展計画では、国全体の年間外国貿易における輸出入総額成長率の目標は15%となっている。これには、現在の輸出規模がすでにかなり大きいことに加え、かなり多くの輸出商品の付加価値が低いことを踏まえ、各方面が輸出商品の構造調整の加速、国際収支の基本的な均衡を図ることに余力を残すために、貿易成長率目標は高く設定すべきでないという方針が反映されている。 当面、国際収支の均衡を図ることは、すでに国の重要な経済政策の方向付けとなっており、関係マクロ経済部門及び貨幣政策部門はすでに内需拡大、貯蓄率の引き下げ、市場開放、変動為替レート制度及び輸入拡大など総合的な政策措施の実施で、国際収支の均衡を図ることにしている。 中国人民銀行筋は、いくつかの具体的な措置の実施にともない、今後2~3年以内に中国では基本的な貿易均衡が実現する可能性があると予測している。 「チャイナネット」2006年4月14日 |