中国労働者の権益を代表する機関?中華全国総工会が10日明らかにしたところによりますと、制定中の「労働契約法」について普通の人々から10万本を超える意見や提案が寄せられました。法律制定の過程でこれほど多くの意見や提案が出されるのは今回が初めてだということです。 1995年から2004年にかけて中国の都市部で働く人は1億9000万人から2億6500万人に増え、農村部から出稼ぎの人数だけで1億人に達します。これと同時に、労働紛争の数も増えており、これまでの10年間で関係部門が受け付けたものが130万件に上りました。 「労働契約法」草案は去年末、中国の立法機関に提出され、審議をしています。これについて、中国労働?社会保障省法制局の副局長は立法の主旨について「まずは労働者の合法的権益の保護である。また、社会と経済の発展を確保するため、労働者と雇用者の協調を取れた発展を促していくことである」と述べました。 法律草案は雇用側の義務、労働契約の締結形式などについて明確に規定し、雇用側が悪意を持って約束どおりに給料を支給しないなどの行為があれば懲罰方法を定めています。 この法律の制定について立法機関は社会から広く意見を募集しています。全国人民代表大会法律作業委員会の信春鷹副主任はこれについて「草案を全部公開し、下部労働者の意見を聴取しようとしている。皆さんの意見を参考にして、草案を修正するつもりだ」と述べました。 広く意見を募集するため、中国の大きなインターネットサイトではほとんど専門のコラムが設けられたほか、意見も受け付けています。 山東省の農民?王率涛さんの意見は内容が充実し、多くのサイトで転載されています。「『労働契約法』の制定を聞いて、都市部で働いている私たち農民はとてもうれしく思う。多くの農家の人々は都市部で働いているが、その仕事は大抵辛いものだ。何の保障がなくてもやる。なぜなら、暮らしていくには、親や子供を養っていくには頑張らなければ」と話しました。 王さんはその書簡の中で草案についていくつか提案を出しました。たとえば、勤務時間が長すぎること、勤務が過酷なこと、保険問題を解決することです。 意見募集の一ヶ月間に、20万本の意見や提案が寄せられました。そのおよそ3分の二は下部の労働者からのもので、労働契約の期限が短いこと、失業手当の支給、試しに雇用する試用期間の問題、などに集中しています。 全国人民代表大会常務委員会の関係者は中国の労働関係の現状に鑑み、「労働契約法」が弱者を保護するのは必要だと見ています。 全人代法制作業委員会行政法課の責任者、李援さんは「わが国の労働力市場は、供給が需要を上回っているのが実情である。こうした労働関係の下で、労働者の利益を損なう問題を解決し、労働者側に適度に傾斜する法律を制定すべきだ」と述べました。 今回の「労働契約法」の制定の過程は、学者や関係者から注目され、これを今後の参考にしていくということです。 「CRI」より 2006/05/11 |