5月28日、中国北部の内蒙古自治区オルドス市では全国水資源作業会議が開かれました。この会議は、今後五年間に、水資源の利用率を高めるため、GDP一万元あたりの水資源使用量を6%以上下げることにしました。 紹介によりますと、2004年、中国GDP一万元の水使用量は世界レベルの約4倍で、アメリカなどの先進国の8倍となりました。中国の胡四一水利部長は「中国水利部は今後5年間に、GDP一万元の水使用量を年平均6%以上下げるよう、一連の措置を取ることにした。そのため、綜合コントロールとして、定額管理を核心とする水資源管理システムを樹立する」と語りました。胡水利部長は、「第一に、各流域管理機構は流域内の水使用量を全面的にコントロールし、各業界における用水の定額基準を早めに制定すること。第二に、取水管理を完備させること。第三に、地下水の管理を厳しくし、水資源の調節を強化し、重点地域、生態保護区などの需要を保障することだ」と強調しました。 中国は水資源に乏しい国で、一人当たりの水資源占有量は世界平均水準の三分の一もありません。一年間の水資源不足量は400億立方メートル近くになり、400の都市は水不足の問題に直面しており、そのうち110都市は極めて厳しい状態にあります。 水資源が極めて不足する一方、中国の水資源の利用はおおざっぱで、利用率も低いです。農業生産は大量灌漑方式を採用し、工業用水の繰り返し利用とリサイクル程度は低く、先進国の1980年代初のレベルにすぎません。日常生活で水節約用具の使用も普及しておらず、水に対する大衆の節約意識を高めなければなりません。 胡四一水利部長は、「この情況では、中国は水節約型社会を建設し、水資源の利用率を高めなければならない」とのべ、また「農業面では、今の灌漑区域の改善、節約型灌漑モデルプロジェクトの建設とダムの改造テストを展開しなければならない。工業面では、技術改革と製品の更新を重点にし、廃水のリサイクルと沿海地域の海水の利用を促進する。都市部では、生活用水の節約用具を普及する。水節約技術や設備の研究、製造を奨励する」と語りました。 中国はこれらの措置を通して、水利用率の向上を図っています。2010年には、農業用の灌漑用水の増加率はゼロになり、工業では一万元製品が生まれるごとに増える用水量は明らかに下がり、サービス業の水利用率は国際レベルに近づきます。そして2020年には、水節約型社会が形成され、経済発展の水使用量の増加はゼロになり、生態環境を保つと共に、水資源の供給と利用のバランスが取れるよう努力しています。 水資源不足のほか、水の汚染問題は多くの地域に存在しています。一部の地域では、川と湖が枯れ、湿地が減り、オアシスが消える現象が現れています。胡四一水利部長は「今後5年間に、人々の飲水と河川の生態安全を保障するため、水利部は社会で水節約活動を展開すると共に、水資源の保護作業を強化していく」と語り、また「第一に、重大な水汚染の緊急管理システムを樹立し、そのときの緊急応対案を制定すること。第二に、水の機能区管理を実施し、汚水コントロールを全面的に実施すること。第三に、水の生態保護と修復を重視し、生態観測と警報措置を強化し、生態用水の保障システムを樹立すること」と説明しました。 「CRI」より 2006/05/30 |