中国政府は2007年の国民生活をめぐる政策の重点として、次の8つを挙げた。

（１）農民：さらなる希望を

2007年の中央政府予算では、三農（農民?農村?農業）問題対策資金として前年を520億元上回る3917億元を計上した。

▽今年の予算では農業支援支出の伸び、国の農村向け固定資産投資の伸び、農村建設に充てられる土地譲渡収入の伸びが、いずれも前年を上回る見込み。

▽農村の義務教育経費は前年比395億元増加の2235億元。

▽農村の安全な飲用水システムの建設を加速させ、今年は3200万人の飲用水問題を解決する。

（２）子供：進学の不安を解消

07年の中央政府予算では、教育関連支出を大幅に増やし、前年比41.7％増加の858億5400万元を計上した。

▽農村では今年、義務教育課程の費用を全額免除にし、これにより農村部の小中学生1億5千万人の家庭で負担が軽減する見込み。

▽今年の中央政府予算では95億元を投入して、整った国の奨学金?就学助成金制度を構築する。

（３）貧困扶助：より暖かく

07年の中央政府予算では、貧困扶助対策に前年比7億元増加の144億元を計上した。

社会支援システムを改善し、都市部住民を対象とした最低生活保障制度、都市?農村部の医療支援制度、都市部の路上生活者の救済制度などを整備する。

同年の中央政府予算では、農村の最低生活保障補助金として30億元を計上し、全国規模で農村の最低生活保障制度を構築?整備する。

（４）生態：エコを推進

07年は国債発行による資金調達と中央政府予算とを増やして、汚染対策への取り組みを強化する。都市部の生活排水処理施設、ゴミ処理施設、危険廃棄物処理施設の建設を支援し、三河三湖（淮河?海河?遼河、太湖?巣湖?滇湖）、松花江、三峡ダム地域とその上流、「南水北調」（南方の水を北方に送るプロジェクト）の水源とその沿線などの重点流域で汚染対策を継続的に進める。汚染排出企業や都市の汚染物を農村部に拡散させることを禁止し、農村の汚染を抑制する。

合理的なプラン、科学的な建設、適度な消費を推進して、省エネや用地節約に配慮した環境保護型建築を発展させる。

（５）就職：保障をより多く

07年の中央政府予算では、社会保障?就業支援経費として前年を247億元上回る2019億元を計上した。

▽今年は都市部で900万人以上を新たに就職させ、登録失業率（都市戸籍保有者の中で失業登録を行った人の割合）を4.6％以下に抑える。

▽社会保険の地域間移転?連携規定の研究?制定を急ピッチで進める。

▽企業の従業員向け基本年金保険制度を引き続き改善し、都市部労働者の基本的な医療保険制度や失業?労災?養育保険制度を整備する。

（６）医療：負担軽減

07年の中央政府予算では、医療?衛生事業の予算として前年比86.8％増加の312億7600万元を計上した。

▽新型農村合作医療（政府が援助する医療費共済制度）のテスト地区を全国80％以上の県（県級市?区）に拡大する方針で、そのために中央政府予算は前年を58億元上回る101億元を計上した。

▽重病への対策を中心とした都市部住民の基本的医療保険のテストをスタートし、貧困層には必要な支援を提供する。

▽今年は国の免疫計画の範囲を拡大し、A型肝炎、流行性脳脊髄膜炎など15種類の伝染病を対象に組み込む。

（７）安全対策：堅固な予防線を

食品?薬品の専門的安全対策を引き続き展開し、品質?衛生面での監督管理を強化する。

生産現場における大きな事故の発生を断固阻止する。安全な生産体制を整え、生産安全性に対する企業の主体的責任を強め、炭坑のガス対策および閉鎖対策を推進する。

危険な化学品、花火?爆竹、交通運輸、消防、建築などの重点業界で専門の安全対策を計画?実施し、学校と娯楽場の安全対策を強化する。

（８）住宅：廉価な賃貸住宅を拡大

07年、建設部はすべての都市と県城（県政府のある町）に対し、低価格賃貸住宅の制度を構築するとともに、政府予算を中心とし、住宅公積金（公的な住宅積立金）の収益を活用した低価格賃貸住宅の資金調達制度を厳格に実施し、土地譲渡による収益の約5％を低価格賃貸住宅の建設費用に充てるよう求める。

政府による調整と市場メカニズムの2つの手段を運用して、不動産投資の合理的な規模を維持し、分譲住宅の供給構造を改善し、不動産価格への監督管理?調整を強化するとともに、不動産価格の過度の上昇を抑え、合理的な価格水準を維持する。

「人民網日本語版」2007年3月16日