準備作業は「順調かつ整然」と進んでおり、すべては「間に合う」ようだ。 4年前、北京オリンピック組織委員会(BOC)の王偉?執行副主席兼秘書長は国際オリンピック委員会(IOC)への報告で、各方面の強力な支持を得て、BOCの作業は「順調かつ整然」としていると語った。すでに開幕までわずか1年となったが、準備作業に対しては依然、こうした感じがあるようだ。 王副主席は「五輪の準備作業は、各地方政府も非常に重視し、全人民及び社会各界も強力に支持している」と強調。北京市政府は工事建設指揮部と環境整備指揮部、五輪立法協調グループを相次いで設立した。施設の建設や環境の整備、競技に関する運営方法の検討を専門に担う部署だ。また、市民や社会各界はオリンピック市場の開発、エンブレムやスローガン、マスコット、聖火リレー、テーマソングの募集などに積極的に参加しており、王副主席は「社会全体に積極的かつ秩序だって参加する雰囲気ができた」と語った。 資金調達、合理的な支出 王副主席は「現在のところ、BOCの市場開発で五輪の運営資金を賄うことはできる」と強調した。 さらに「実需に基づいて、申請時に提出した予算金額を調整した。市場開発は著しい成果を上げたが、従来通り節約型五輪の方針を貫き、一銭たりとも不必要なところには使用しない」と述べ、開催支出が04年のアテネ五輪を超えることはないとの考えを示した。 コストを節約(また安全性を考慮して)するため、BOCは最終的にメイン会場に位置しない、外観が鳥の巣に似た国家体育場に開閉可能な屋根を設置して、開幕式をすることを決定したが、雨が降った場合はどうするのか。これについて関係者は「心配する必要はない。現在考慮中で、解決策にすでに着手した」と話している。 施設建設は間もなく終了 実際、競技施設は設計と構造上、気象の要素が十分考慮されている。 6月30日、開閉幕式と陸上、サッカーが行われる「鳥の巣」国家体育場に電気が通じた。同時に、コンクリート?鉄筋構造の主体工事もほぼ完了し、観客席も据え付けが終わり、現在は内装工事の段階だ。「鳥の巣」の室内設計に当たっては、世界の著名な建築物を参考にしているが、そこにも中国の特色が自然に織り込まれている。 北京五輪のシンボルとなる競技場は来年3月末の完成予定。最も早く完成した豊台野球場は昨年に化粧直しを終えており、第11回世界女子ソフトボール選手権が開かれている。 五輪のシンボルとなる国家水泳センターも一部、内部設備の設置を終了。北京射撃場や老山自転車競技場、国家体育館、農業大学体育館、北京大学体育館、北京工業大学体育館、北京科学技術体育館、順義県オリンピック水上公園などの施設の改修もほぼ終わった。工人体育場や工人体育館などの拡張?修築工事も間もなく終わる。 交通! 交通! 競技施設周辺に建設していた62本の道路のうち34本と、4基の立体交差橋のうち1基ですでに開通の条件が整った。施設に対して「何らかの問題」が起きると疑問視する人はほとんどいないが、むしろ交通に懸念を示す人が多い。 「五輪期間中の交通問題については自信がある」。こう語る王副主席は、北京は公共交通を大々的に発展させており、「閉ざされた都市」になることはないと強調した。 北京市の自動車台数はすでに300万台に達した。年平均35万台ずつ増え、日間販売台数は1000台にのぼり、これが交通状況を一層悪化させている。五輪期間中に車の流れをスムーズにするため、市政府はインフラ整備を強化したり、公共バス料金を安くして利用を促進するなど、様々な措置を講じて公共交通を発展させたり、新たに4路線の地下鉄を建設したりしている。統計によると、30%以上の市民が公共交通を利用しているという。王副主席は「さらに市民に対して交通ルールを順守する教育をする」と強調した。 交通部は今年6月、政府サイトで「北京五輪及び予行競技時の道路交通の保障及び輸送サービスの実施プラン」を公布した。プランによると、「五輪特別通行証」を持った車両は直接、「五輪用車線」を優先して通行できる。警察車両が先導する五輪専用車については、「五輪用車線」沿線にある料金徴収所で先ず、通過回数を自動記録して後に一括して支払う。料金所では停車する必要はない。その他の五輪用車両については、料金を予め支払うか、またはカードを購入するか、またはETC(自動料金収受システム)を利用して、料金所での車の混雑を解消するとしている。 王副主席は「市政府とBOCは公用車を利用しないよう呼びかけるとともに、『車友の会』に運転の回数を減らすよう求めることにしている。北京はこの面で成功した経験がある」と語った。昨年11月、「中国アフリカ協力フォーラム北京サミット」開催中に北京市では、利用されなかった公用車は50万~60万台にのぼり、50万~60万のマイカー族も「車友の会」の運転しないよう求める呼びかけに応えたという。 「北京週報日本語版」より2007年8月7日 |