中国鉄鋼工業協会筋は7日、北京で記者の取材を受けた際、中国政府は鉄鋼製品輸出の過度の伸びを制限する一連の措置を講じており、「これらの政策の効果は今年下半期にはっきりと現われ、中国の鉄鋼製品輸出の伸び率は大幅に低下することになろう」という見方を示した。 今年に入っていらい、中米間の鉄鋼関連の摩擦は拡大する一方であった。半年内に、米国側はすでに中国側に対して3件の鉄鋼関連の訴訟を起こしている。7月30日、米国鉄鋼学会、米国鉄鋼産業協会など4つの機構が共同で中国の鉄鋼産業に関するレポートを発表し、ここ10年間において中国の鉄鋼業界が520億ドルを上回る政府補助金を得ており、これよって不公平な競争優位に立ち、双方の摩擦をいっそう増幅させたと指摘した。現在、米国は中国にとって3番目の鉄鋼輸先国となっており、2006年における中国の対米鉄鋼輸出は史上最高を記録した。 これに対し、中国鉄鋼協会は、「このレポートは著しく事実と反するものである」と反論している。上半期の中国の鉄鋼業固定資産投資実行額は1251.6億元で、前年同期比8.4ポイント増となった。投資金の調達ルートから見ると、企業の自己資金は82%で、残りは国内の銀行の貸付や外国からの投資であった。 国際市場の鋼材需要が堅調のため、価格が上昇し続けていることが中国の鉄鋼製品輸出の増加をもたらす根本的な原因であると中国鉄鋼協会が主張している。この1年間に、米国の中国からの鋼材輸出が急増している主な原因は、米国の鉄鋼製品が市場競争力を欠くこと、市場のニーズが旺盛であることおよび米国の鉄鋼の市場価格の上昇によって促されたものである。国際鉄鋼協会(IISI)がまとめたデータによると、2002年~2006年の世界の鋼材消費の年平均伸び率は7%ポイントで、2007年も5.9%の高い伸びになる見通しである。 鉄鋼業界の持続可能な発展を維持し、貿易摩擦を減らすため、中国政府はここ数年らい一連の措置を講じ、鉄鋼産業への投資の増加を効果的に抑えてきた。2006年の国内鉄鋼業界固定資産投資は6年いらい初めての2.5%の低下となった。 これと同時に、中国政府は2005年から、6回続けて鋼材および鉄鋼製品に対して輸出税還付率の引き下げ、輸出税還付の撤廃などを行い、鋼材輸出に対して許可証管理など輸出制限の措置を取っている。 中国鉄鋼協会は、国際交流と協力の拡大を図るため、中国は鉄鋼製品の輸出量を生産総量の1割程度に制限しており、これは中国側の積極な、責任ある姿勢の現われであると強調した。現在の状況のもとで、米国の鉄鋼産業レポートは事実を無視し、中国の鉄鋼業界を非難することは「時宜にかなうものではない」としている。 中国五鉱化工輸出入商会筋も記者の取材を受けた際、中国鉄鋼産業の発展は中国のこの30年らいの改革開放の成果であり、決していわゆる「政府補助金」を受けた結果ではないという見方を示している。米国鉄鋼業界のこのやり方は、中国政府および中国鉄鋼業界に対してかなり大きな偏見と誤解を持っていることを示していると指摘した。 「チャイナネット」2007年8月10日 |