今年3月以降、化粧品から食品、さらには玩具まで、中国製の輸出品をめぐる騒ぎは拡大する一方で、非難の口調も次第に高まっている。米国の一部議員、候補者、メディアは特にひどい。(文:梅新育?商務部研究院研究員) ところが中国国家質量検験検疫総局(品質検査当局)の数字でも、米国食品医薬品局(FDA)や国際貿易委員会(ITC)の統計でも、全体的に見ると、中国製の輸出品、特に食品の安全性は他国と比べ決して劣っておらず、やや上回ってすらいることが十分に示されている。米国向け中国産食品の合格率は04年は99%、05年も99%、06年は99.2%だった。中国向け米国産食品の合格率は04年は99.01%、05年は98.85%、06年は99.09%。日本?欧州連合(EU)向け中国産食品の平均合格率は04年は99.8%、05年は99.9%、06年も99.9%だった。FDAとITCの統計によると、06年7月~07年6月の米国各港での輸出食品押収?返送回数の最多国は決して中国ではなく、最多国は中国を395回、2番目の国は中国を112回上回っている。 したがって、安全性に対する消費者の懸念を本当に和らげたいのなら、見境のない非難を展開するより、心を静めてその監督業務の手落ちの所在を探り、その原因を分析し、穴埋めに努めた方がいい。 輸出国である中国も、輸入国である米国も、その管理体制はまだグローバルな生産と貿易の発展のスピードに完全には追いついていないため、管理上の手落ちが生じている。まさにこの管理上の手落ちが、中国製輸出品の品質問題を浮かびあがらせ、また議論の焦点にさせているのだ。 管理上の手落ちには、客観的な原因がある。つまり、投入可能な管理資源が社会全体に不足していることだ。関連技術?設備には時間と資金の投入が必要だし、関係職員の養成となるとなお「1日にして成らず」だ。主観的な原因もある。つまり、管理業務に十分な資金?技術?設備?人員が社会全体にあっても、政策決定者が十分な投入に踏み切らないことだ。中国政府はすでに、大量の人員と物資を製品の品質管理に投入している。だが中国は発展途上国なので、西側先進諸国には見慣れた旧製品でも中国市場にとってはまだ新商品で、中国自体が多量の新製品への品質管理体制の構築という課題を抱えており、管理資源の不足が際立っている。中国側の管理上の手落ちの多くは、この客観的原因による。これと比べ、米国側の問題は、その多くが主観的な原因によるものだ。 英紙「フィナンシャル?タイムズ」(北米版)は7月11日、エール大学マネジメントスクールの国際貿易?金融学教授、ジェフリー?ガーテン元米商務次官の記事「なぜ西側は中国の輸出を規範化しなければならないのか」を掲載した。同文は▽米国は過去25年間、輸入製品に対する管理体制を迅速に刷新できなかった▽米国食品医薬品局(FDA)の製品検査量は過去10年間で4倍に増えたが、予算の増額は一向になかった▽過去数年間に米消費製品委員会の人員と予算は少なくとも10%削減された――ことを指摘している。だがガーテン氏は、輸入品管理業務の激増にも関わらず資源投入が足踏みしているという、この状況が出現した理由を踏み込んで探ってはいない。しかしこれこそが、国を治める者が再考し、改善すべきことなのだ。特に政府予算の審査権を握る米国議会は、こうした状況の出現に対し、どのような責任を負うべきだろうか。中国製品の品質問題が持ち上がるや「義憤を胸に漲らせて」、中国製品に対する数々の極端で差別的な制限措置の発動を求めたあの議員たちは、当初は「政府規模の膨張を防ぐ」「予算を制御範囲内に抑える」などと「正義」の旗印を掲げ、品質管理当局への必要な投入の増加を阻止したのではなかったのか? 「人民網日本語版」2007年8月23日 |