新しい国際競争の形態の1つとして、地域経済協力はすでに世界的範囲で活発に進められている。この状況の中、中国はどうなるだろうか?先般、商務部の易小準副部長はこの話題について記者のインタビューに答えた。 進行中のFTA交渉は11件 記者:中国が初めて地域経済協力に取り組んだのはいつなのか?どういう特徴があるのか? 易小準副部長:中国の経済協力プロセスがスタートしたのは1991年。同年、われわれはアジア太平洋経済協力(APEC)に加入したが、これは中国が参加した最初の地域経済フォーラムであり、中国の地域経済協力プロセスの始まりでもある。その特徴として、比較的に突出したものは以下の4つである。 まず、中国はさまざまな地域経済協力に幅広く取り組んでいること。 われわれはアジア、オセアニア、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アフリカの28の国?地域との間で11の自由貿易協定(FTA)交渉を進めている。具体的には、われわれは香港、澳門(マカオ)との間で『経済貿易緊密化協定(CEPA)』およびその補足協定に署名した。また、ASEAN、チリ、パキスタンとFTA締結済みで、湾岸6カ国、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポール、アイスランドなどとのFTA交渉は進行中である。インド、韓国、ペルーとの間では自由貿易に関して検討しているところである。APEC、アジア欧州会合(ASEM)、上海協力機構(SCO)、ASEANと中日韓(ASEANプラス3)、東アジアサミットなど多数の地域経済フォーラムにも参加しており、また、多くの隣接国を含めたメコン川流域開発協力、図們江地域開発協力などの地域協力メカニズムの構築を推進してきた。 次に、中国の地域経済協力参加の内容には、貿易の自由化つまり市場開放などのほか、経済?貿易政策対話、貿易?投資の利便化および経済?技術協力なども含まれている。 さらには、中国の地域経済協力参加には、中央政府の強力な推進があると同時に、地方の積極的な参与もある。 最後に、その他の大きな経済体と比較して、中国は自由貿易に取り組んできた期間はまた短く、成果が出たものはそれほど多くないし、世界の主要な経済体には関わっていない。これを改善するには、われわれが、地域経済一体化の歴史的チャンスおよび我が国の改革開放の局面をよく捉え、綿密に計画を練り上げることが必要である。 自由貿易区の5つのメリット 記者:自由貿易区の構築は参加国にとってどのような具体的なメリットがあるのか? 易小準副部長:自由貿易区の構築は、企業や消費者にさまざまな実利をもたらすことだろう。具体的には、いかのようである。 第1、貿易の伸びを促すことになる。 自由貿易区内ではほとんどの製品の関税が撤廃されなければならないため、ある国の製品はより容易に他国の市場に入ることができる。例えば、中国?ASEAN自由貿易区モノの貿易協定を実施して1年、双方間貿易額は23.4%増となり、中国?チリ自由貿易協定の実施いらい、今年1?3月だけを見ても二国間貿易額は82%増となった。 第2、市場の多元化を促し、在来市場への依存から脱却することができる。 第3、消費者の消費コストを減らし、消費者の選択肢を増やすことになる。 例えば、中国?ASEAN自由貿易区の「早期収穫計画」の実施後、中国のリンゴ、ナシ、クリ、ナツメ、ジャガイモ、タマネギはASEAN諸国の人々の食卓にのぼった。一方、中国の消費者もスーパーマーケットで東南アジアのドリアン、マンゴスチン、ハラミツ、ランブータンなどのさまざまな熱帯果物を買えるようになった。こしたメリットは一般の人々が身を持って感じるものである。 |