東風ホンダ、広州ホンダなど合弁自動車メーカの生産能力が「臨界点」に達しつつある。これらの外資系自動者メーカーにとって、中国での創業当初の生存圧力こそなくなったが、競争が激化している中国自動車市場において、優位を保ち続けるには、第2ラウンドの生産規模の拡張が迫られている。 長春モーターショーの記者会見で、東風ホンダの劉裕和執行副社長が明らかにしたところによると、今年6月、東風ホンダの単月の販売台数は2004年の年間販売台数の10472台を上回る10813台に達した。これは、東風ホンダの年間販売台数は12万台の年間生産能力を超えたことを意味している。 販売台数の生産能力超過は、合弁自動車メーカーにとっては、3つのことを考えなければならないことを意味している。 1、既存の生産能力を拡大すること。 東風ホンダが12万台の生産能力を設定した当初、今後24万台までの規模拡張および技術条件に関する配慮はあった。つまり、将来的には、24万台を超える生産能力が必要となる時、新しい工場を建設する予定である。 2、既存の「シビック」(思域)、新CR-Vの2つの車種以外、新車種導入の条件が熟しつつあること。 3、会社の製品の影響力やブランドの波及効果をいっそう向上させる必要があること。 年初に発表された新CR-V車は、東風ホンダの単月販売台数1万台超過に大きく貢献している。現在、消費者が新CR-Vを手に入れるには、一定の期日を要することになっている。新CR-Vの注文が非常に多く、東風ホンダの12万台の生産能力はかなりの逼迫状態にある。会社は残業を増やすと同時に、北米市場から部品を調達するなどで、新CR-Vの生産を増やしている。新CR-V車の需給の逼迫状況は9月あるい10月まで続くでろう、と劉裕和氏が語っている。 東風ホンダがいつ第3の車種を導入するか、また、その位置付けはどういうものであるかについて、劉裕和氏は「私個人的には、ハイテク、高付加価値製品に特に興味を持っている」としている。 これから、東風ホンダの第3の車種は既存の2つの車種と比べて、より高いブランド力を持つことは容易に判断できる。第3、第4の車種の中国市場での成敗は、東風ホンダが短期間で生産能力24万台の目標を実現できるかどうかにかかっている。 世界自動車大手の中で、ホンダには、製品は少ないが、いずれも精緻なものであるという特色がある。シビックにせよ、アコードにせよ、いずれも細分市場でトップの座を占めている。しかし、車種の少なさはいずれもホンダの中国での2つの合弁企業の製品配置にとってマイナスである。 広州ホンダにしても、その第2工場が生産に入った後、その後続製品の投入問題が業界の関心を集めている。 広州ホンダは近く、自主的研究?開発の面で大きな動きがあると見られている。はたして、合弁企業は自主的研究?開発により、海外からの車種導入のボトルネットを打ち破ることができるのか?広州ホンダの模索は中国の自動車工業の自主的研究?開発にどれほどの影響を与えるのか?これはわれわれの期待に値するものである。はっきりいえるのは、広州ホンダにとって、その第2ラウンドの生産規模拡張の決定的要因は、新アコードあるいはその他の導入車種に限定しないことである。 広州ホンダの自主的研究?開発面の対応について、劉裕和氏は「近いうちに、東風ホンダも新しい措置を講じる」ことを明らかにした。 「チャイナネット」2007年7月20日 |