中国インターネット情報センター(CNNIC)は18日、第20次中国インターネット発展状況統計報告を発表した。1997年の第1次報告発表以来、ちょうど10年が経過したことになる。 報告によると、今年6月末現在、中国のインターネット利用者は1億6200万人に達し、米国の2億1100万人に次いで世界2位だった。 ▽世界平均に届かない普及率▽ 中国のネット利用者増加率は31.7%に達し、現在は新たな急速増加期に入りつつある。しかしネット普及率は12.3%で、世界平均の17.6%を下回る。ネットが比較的発達した米国、日本、韓国などはいずれも普及率が65%を超えており、中国との開きは大きい。中国国内の地域別普及率をみると、都市部が21.6%であるのに対して農村部はわずか5.1%に過ぎない。 ネット利用者の年齢構成もアンバランスで、極端な若年化現象がみられる。25歳以下の割合は50%、30歳以下は70%に達する。 性差は縮小傾向にあり、女性利用者の割合が45.1%に達して過去最高を記録した。 ▽携帯電話によるネット利用者は4430万人▽ 中国インターネット界では、主な基本的リソースが爆発的な増加傾向を示している。大陸部のドメイン数は現在918万件に到達し、増加の主な原因として、トップレベルドメイン「.cn」が年間416.5%の増加を遂げたことが挙げられる。今年6月末現在、CNドメイン総件数は615万件に達し、国内のドメイン数全体の約6割を占めて、初めて「.com」ドメインの登録件数を抜いた。世界規模でみても、「.cn」ドメインはドイツのトップレベルドメイン「.de」に次ぐ件数を誇る。 同報告によると、現在中国のサイト数は1万人当たり10サイトに上る。今年6月末現在、国内サイト総数は131万サイトに上り、半年で47万サイト増加した。うち最も急速に増加したのは「.cn」ドメインでのサイトで、すでに81万サイトを数える。サイト数の大幅増加から、中国の中国語情報リソースが飛躍的な発展を遂げたことがわかる。 注目されるのは、ブロードバンドや専用ライン利用、ダイヤルアップ方式でのインターネット接続ではなく、携帯電話を利用した接続が徐々に一般的になっていることだ。現在、無線接続する利用者5564万人のうち、携帯電話を端末としている人は4430万人に上る。 ▽インターネット新聞が利用率でトップ▽ 同報告によると、中国では全世帯のうち13%がインターネットに接続し、ネット利用者の73%が家でネットを利用している。次に多いのはインターネットカフェでの利用で、初めて職場での利用を抜いた。 インターネット利用時間は1週間当たり18.6時間に上り、他国に比べて時間が長く、しかも年々増加する傾向にある。 インターネット新聞の利用率は77.3%で、各種用途のトップに立った。2位は検索エンジンの74.8%、3位はインスタントメッセージングの69.8%だった。 インターネットの三大娯楽――音楽、映画、ゲームも利用率が高い。ネット利用者の3分の2が音楽の視聴やダウンロードを利用し、約半数がオンラインゲームを体験している。 これに比べて、中国のネット利用者は生活補助手段としてのインターネットにはまだ慣れていない。ネットで仕事を探したことのある人はわずか15%、ネットショッピング利用者は25.5%、旅行のオンライン予約をする人はこれもわずか3.9%、ネットで株取引やオンライン銀行の利用を行う人は約20%に過ぎない。 同時に、ネット利用者のインターネットへの信頼度は低く、「信頼している」とする人の割合は3分の1に過ぎない。学歴が高いほど信頼度が低くなる。 ▽学生のネット利用者が3割強に▽ 現在中国では、学生?生徒(6~24歳)のネット利用者が5800万人に上り、利用者全体に占める割合が35.8%に達する。うち最も多いのは高校生の2千万人、次は大専(短大に相当)以上の学生の1800万人で、中学生と小学生は合わせて2千万人に上る。学生?生徒のネット利用者の約75%が都市部に居住し、約半数がインターネットカフェでネットをよく利用している。 同報告によると、学生?生徒のネット利用者の約半数を含めて、若年層では13~16歳頃に初めてインターネットに触れたという人が多い。これは中学校や高校1~2年の時期に相当し、この時期における教育や指導の重要性、およびインターネットカフェに対する監督管理の強化の必要性を物語る。 若年層のネット利用者にとって、ネットの娯楽ツールとして機能の魅力が他のいかなる機能をも上回り、学習や情報のツールとしての機能は相対的に魅力に乏しい。またネット利用時間をみると、若年層の一部には「ネット中毒」の傾向がみられる。 学生、特に小中学生で1週間当たりのネット利用時間が20時間を超える場合は注意が必要だ。40時間以上の場合は特に注意して、正しい指導を受けさせるべきだ。 「人民網日本語版」2007年7月20日 |