中国保険監督管理委員会(保監会)は25日、中国人民銀行、国家外国為替管理局と共同で、『保険資金海外投資管理暫定方法』(以下『方法』)と略)を発布し、保険機関の保有外貨あるいは買い入れた外貨の海外への投資を許可した。これは中国の保険資金管理は新たな段階に入ったことを示すものである。 『方法』は人民元切り上げ圧力の緩和、国のマクロ調整へのバックアップ、保険機関の資産配置の改善、リスクの分散、収益の増加、競争力の向上などでプラスとなると見られている。 『方法』の主な内容は次の通り。 1、委託運用の解禁 『方法』では、リスク?コントロール能力の向上、収益の向上を図るため、国内保険機関の海外投資経験の不足、リスク?コントロール能力の低さを踏まえ、保険会社が委託管理の形で、保険資金の運用を専門の資産管理機関に委託することを認めた。 2、管理能力の重視 『方法』では、委託人、受託人および委託管理人の備えるべき条件について規定している。委託人にはリスク評価能力や投資業績評価能力、受託人にはリスク管理能力、投資管理能力特に資金運用経験、委託管理人には資産分離管理メカニズム、委託管理経験およびグローバル委託経験ネットワーク資源の充実化を求めている。 3、海外投資比率の引き上げ 保険会社の総資産の15%にあたる資金の海外での運用を認め、海外投資の範囲を収益が安定している商品から株式などに広げ、保険機関による独自の資産配置、収益の向上を図ること、人民元の価値上昇のリスクを抑制することをサポートする。 4、金融派生商品には慎重的 『方法』では、金融派生商品の扱いを保険機関のリスクヘッジの手段に用いることを認めているが、投機的な取引として行うことを禁じている。 5、共同監督?管理を強化 保監会、中国人民銀行、外国為替管理局はそれぞれの職能に基づき、保険資金の海外投資に対して共同で監督?管理を行い、保険機関の資金運用リスクの軽減を図る方針である。 保監会はまた、関係国?地域の監督?管理機関との協力を強化し、リスク対応能力の向上を目指すとしている。 「チャイナネット」2007年7月26日 |