第1回東アジアサミットは14日、クアラルンプールで閉幕し、ほかの関係サミットも間もなく終了します。中国の温家宝首相は11日から各会場に現れ、東アジア協力について中国の主張を述べました。 中国とASEANとの協力を拡大するのは温家宝首相が一連の会議で述べた主な内容となります。中国は現在、東南アジア地域経済の発展を促す主な原動力とされています。中国とASEANは戦略的パートナー関係を樹立しただけではなく、自由貿易区の設立を巡る交渉も積極的に進められています。温家宝首相は、ASEANプラス中日韓3カ国会議、ASEANプラス中国指導者会議においても、各国の商工業界の代表の前でも、中国の実際の発展情況と現在直面している問題を率直に説明した上、中国は自らの発展を考えるばかりではなく、ASEAN諸国とともに発展して共栄することを希望すると表明しました。 そのため、温家宝首相は一連の提案を提出しました。例えば、交通、エネルギー、文化、観光、公共衛生という五つの分野をこれから中国とASEAN協力の重点分野にし、中国とASEANの間に情報高速ネットを設立すること;来年、中国とASEAN諸国は外交公務旅券所持者に限定してビザを免除すること;来年の始め頃、鳥インフルエンザの防止や、そのワクチンの研究開発などを討議する中国ーASEAN閣僚級会議を開くことなどがあります。これらの提案はいずれもここ数日各国メディアに注目される話題となっています。 ASEANプラス中日韓3カ国指導者会議で、温家宝首相は更に、中国企業がASEAN諸国で投資することを支援するため、中国政府は50億ドルの優遇貸付金を増やすことを承諾しました。このほか、温家宝首相は、ASEANと中国、日本、韓国3カ国が安全、エネルギー、貧困撲滅、文化教育、重大自然災害や突発公共衛生事故への対応などで協力を強化するよう呼びかけました。また、十字路に差し掛かっているASEANプラス中日韓3カ国対話メカニズムに対して、温家宝首相は、「中国はASEANが引き続き主導的な役割を果たすことを支持するとともに、中日韓3カ国も協調を強め、各自の優位勢を生かして役割を果たすことを期待する」と明らかにしました。 11日から相次いで開幕した各会議の中、初めて行われた東アジアサミットは最も注目されている会議となりました。「東アジア協力に現れる新現象」と称されるこのサミットについて、温家宝首相は、「中国は、閉鎖的かつ排他的で、特定の国を仮想敵にする如何なる協力に反対しており、地域協力の中で開放的な方針を堅持し、オープンな地域的観点を提唱している。中国は絶対東アジア地域で支配的な地位を求めない」と表明しました。 慣例に従い、ASEAN一連会議期間中、中日韓3カ国指導者会議が開かれることになりますが、今年、日本の指導者はアジアの多くの国の反対を無視して、第2次世界大戦のA級戦犯を祀る靖国神社を5回目参拝したことから、6年間連続して開かれた首脳会議はやむを得ず延期されることになりました。これについて、温家宝首相は記者会見の中で、会議延期の責任は中国側にないと述べ、このような結果は中国側が見たくないものであると強調しました。また、中日関係に触れた際、温家宝首相は、「中国は、長期的かつ安定した中日関係を発展させることは両国国民の根本的利益に符合するものであると信じている。これは中国がずっと堅持している方針であり、最も困難な時期でもこの方針は変わることがない」と表明しました。 「CRI」より 2005/12/15 |