中国は現在、アメリカ、フランスに次いでアフリカにとっての3番目の貿易相手となっている。しかし、この状況にはすぐ変化が生じると見られている。中国?アフリカ貿易額は、2000年~2005年に100億ドルから4倍の400億ドルに増えている。専門家たちは、遅くとも、2010年には中国がアフリカにとっての最大の貿易相手になるという見方を示している。『ドイツの声』、アデナウアー基金会およびアフリカ協会の共同主催のシンポジウムで、上述の問題をめぐって討論が行われた。『ドイツの声は』最近、このシンポジウムについて文章を発表した。要旨は次の通り。 世界銀行は、この直前に発表した研究レポートのなかで、中国とインドのアフリカ大陸に対する興味はアフリカの国際貿易の発展にとって1つのチャンスとなろうという見方を示している。そして、いわゆる南南貿易は1つの新しい流れであると同時に、世界経済にも深遠な影響を及ぼすものとなるとしている。 ヨーロッパの現地における発展政策は中国の実務的アフリカ政策に圧迫されるか?ジンバブエのコールト議員は、「過去6年間に、ムガベ氏は東方接近政策を取っており、この間の中国も最も積極的な対ジンバブエ政策を取ってきた。中国は、われわれのエネルギー市場、鉱山、特にプラチナ金に対して興味を示しており、これまでにすでに3本の中国――ジンバブエ民間航空ルートが開通している」と述べ、ヨーロッパ諸国のジンバブエ孤立がムガベ政府の対中接近を促したと指摘している。 この10年間に、中国はアフリカとの関係を非常に重視してきた。今年の11月、関係国の首脳や閣僚たちが第3回中国?アフリカ協力フォーラムに出席することになっているが、EUの代表はオブザーバーとしてさえ招請されていない。 中国のエネルギーへの熱意がそのアフリカ政策の決め手となっている。中国が中東への石油依存を改善するため、今後、1/4の石油をアフリカから輸入することを考えている。ドイツのボフム大学東アジア研究所の辜学武教授は、「中東や湾岸地域への石油依存を改善するため、アフリカは当面中国のエネルギー戦略において重要な地位を占めている。90年代中ごろ、中国の60%の石油輸入は中東からのもので、この比率はいまでは37%に下がっており、アフリカからの石油は21%に増えている。石油供給国は、主にアンゴラ、スーダンなどである」と語っている。 専門家たちは、ヨーロッパはアフリカに大量の資金援助を行ってきたが、効果はなく、在来の発展援助政策は多くの面から見て、失敗である。この面で言えば、中国のアフリカにおける積極的な動きは、ヨーロッパの人たちの自らの政策への反省を促すものとなろう。 シンポジウムに出席した専門家たちは、中国の実務的な対アフリカ政策はアフリカにとって得難い歴史的チャンスになろうと見ている。 「チャイナネット」2006年11月3日 |