世界の多国籍企業は中国の現在の投資環境をどのように見ているだろうか。中国経済が急速な発展を遂げている今日、企業の成功のカギは何だろうか。中国の企業と企業家は国際化に向かうプロセスの中で、どのような努力をすべきだろうか。こうした問題をめぐり、ディズニーのペッパー会長(P&G前会長兼最高経営責任者CEO、エール大学前副学長)が取材に応えた。 ▽中国経済を信頼 ――中国の現在の投資環境をどのように評価するか。 中国の現在の経済発展ペースは非常に速く、北京だけでなく、各地で新たな建設プロジェクトを数多く目にすることができ、全国的に経済発展の勢いは迅速だ。私は1998年に初めて中国を訪れたが、過去15年間、急速な発展が絶えず続いてきたことが見て取れた。私はその渦中に身を置いて、中国の経済成長ペースを非常によく理解し、中国経済に対する信頼を抱いている。2008年の北京五輪開催を控え、北京は今後中国でもっとも経済発展を遂げる都市になるだろう。 投資環境について言えば、2つの面でなお発展の余地があると思う。一つは知的財産権の保護だ。過去10数年間、中国政府は知財権保護を非常に重視し、多くの有効な対策をとってきた。中国の知財権保護の水準は大きく向上し、しかも絶えず改善されているが、なお引き続き努力すべきだ。 もう一つは政府の調整コントロールや監督管理のシステムだ。政府が国内企業と外資系企業に同等の待遇を与えることが可能になるよう希望する。許可、審査、制限などの手続きや法律?法規の制定をめぐり、国内企業と外資系企業とを問わず対応を一致させることを原則にすべきだ。また監督管理政策の制定や実施プロセスにおいて、より透明性を増した方法を取るべきだ。中国企業の国際化や外資系企業の現地化において、同一性と透明性を高めなければ、よりよい発展環境は提供できないし、企業の運営管理の効率向上をサポートしたり、未来の投資を奨励したりすることもできない。 ▽投資では3つの要素を重視 ――世界の多国籍企業のトップとして、多国籍企業の対中投資では、どのような点を最も重要視すべきと考えるか。 多国籍企業が投資に関する決定を行う時には、一般的に3つの要素を考慮する。第一に、投資市場でよい業績を上げられるかどうか、言い換えれば市場でよい業務を開拓できるかどうかだ。中国は人口が多く、巨大な市場を擁しており、おまけにこの市場は絶えず成長している。これが多国籍企業を最も引きつける点だ。 第二に、政府が安定しているかどうかだ。中国政府は世界で一貫して積極的かつ肯定的なイメージを保っており、国内経済も一貫して持続的かつ安定的な成長を維持している。中国政府が常に経済発展の推進に積極的に取り組んでいることが認められる。 第三に、法律?法規の環境が信頼と依拠に値するかどうかだ。よい法律環境は企業によりよく競争力を発揮させることができる。現在中国の一部業界では法律?法規がなお未整備だが、全体的には法律環境の改善状況は大きく進歩している。 ディズニーとP&Gは別個の企業であり、ディズニーは人々に楽しい物語を提供し、P&Gは消費者に満足できる製品を提供しているという違いはあるが、両社とも対中投資で重視する要素は同じだ。実際には多国籍企業だけでなく、中国の国内企業も発展に際してこれまで述べたような外部環境の影響を受けるのだ。 「人民網日本語版」2006年12月5日 |