「中国経済周刊」の報道によると、2008年北京五輪は北京にとって極めて貴重な歴史的チャンスであり、北京の経済発展を加速した。北京五輪招致が実現した2000年前後以降の北京と上海の経済成長についての相対関係が変化していることから、この状勢が見て取れる。北京のGDP成長率は1994年から1999年まで、一部の年度を除き上海より低い状態が続いたが、2000年以降は上海を上回る状況に転じた。しかし、北京五輪後の経済発展すう勢についての見通しはどうか?筆者の観察と理解によってまとめられた北京五輪後の経済発展の五大すう勢は次の通り。(文:北京大学中国地区経済研究センター 楊開忠主任) その一、やや速い成長を維持 ▽国内?国際サービス「輸出」の発展は、五輪後加速する見通し。 ▽投資は急成長を維持する。北京の経済建設は五輪後も新交通システムの建設推進を加速、また、重点新城鎮(順義、通州と亦庄)の全面的な建設に着手、新城鎮建設の足並みを加速する。生産的なサービス業および社会的なサービス業の発展を重点的に推進する。 ▽消費成長は加速傾向が進む。 その二、革新駆動へのさらなる転向 ある地域にとって、競争力の優位性を獲得するには、コスト戦略と差別化戦略という2つの手段しか選ぶことができません。北京の競争力がローコストを土台として打ち立てられることはあり得ない。北京にとって競争力を備えるための王道は唯一、製品とサービスの差別化という方法であり、その差別化は革新から生まれる。つまり、市場化?グローバル化という条件の下で競争力を獲得するためには、北京経済自体が革新駆動へのさらなる転向が求められる。 共産党北京市委員会?北京市政府は、革新駆動型経済発展を促進する目的で、2006年に「自主革新能力の強化と革新型都市の建設に関する意見」、2007年に「首都学習型都市建設の強力推進に関する決定」をそれぞれ発表、北京を2010年までに革新型都市?学習都市としてほぼ完成させるという目標を打ち出した。これらの政策措置は、五輪後の北京経済の革新駆動へのさらなる転向を強力にサポートすると見られる。 その三、サービス経済、新段階に突入 1990年代以降、北京のサービス業は3度にわたり重要なステップアップを経験した。GDPに占める北京のサービス業付加価値の比率は1995年に50%を突破、北京は「サービス経済」の時代に突入した。北京のサービス業付加価値は2003年以降、中国国内のすべての都市を上回り、国内最大のサービス業中心都市となった。GDPに占める北京のサービス業付加価値の比率は2006年には70.9%を占め、高収入国家?地区の平均レベルに達した。 五輪後、北京のサービス業を次の段階に導く新要素は次の5点。 (1) サービス業はさらに、全国経済の新成長ポイントとなる。 (2)北京の社会事業における優位性をさらに発揮することで、?社会経済(social economy)?を首都経済の新注目スポットとする。 (3)五輪遺産が北京の観光、スポーツ、文化、コンベンションなど各サービス業の実力を高める。 (4)北京国際都市が基本的に建設される。 (5)共産党北京市委員会?北京市政府は、「北京現代サービス業発展の促進に関する意見」の制定作業を加速している。 その四、二重?多中心ネットワーク型発展へのさらなる転向 |