アメリカのさまざまな中国語系メディアのうち、中国語新聞の発行量が絶えず増え、地元の英語新聞の主流と肩を並べるほどになった。また、新聞、ラジオ放送、テレビ番組、ウェブサイトからなるさまざまな中国語系メディアには多様化の発展の動きが見られ、ニュースの取材と編集、メディアの運営パターンにも主流化、国際化の趨勢が見られる。 華人層が絶えず増えている アメリカ人口調査局の統計データによると、40年前にアメリカの中国系住民の数は24万人未満であったが、それ以後、移民数の増加とともに、中国系住民の数はさらに増えている。2000年には、アメリカに在住する中国系住民の数はすでに270万人に達し、アメリカで二番目の少数民族となった。そのうちの200万人は自宅で中国語を使っているので、中国語は英語やスペイン語についで、アメリカでは三番目の言語となっている。そのため、絶えず増える中国系住民の人口数は中国語系メディアの存在と発展を支える基盤となっている。 中国系住民および中国語の使用者のほかに、中国系住民の経済力の急速な増大や社会的地位の着実な上昇は、中国語系メディアの振興を支える主なパワーとなっている。中米国交正常化いらい、中国ではアメリカへ移住する移民の流れが現れ、これらの中国系移民は知識や富をもたらし、不動産に投資し、銀行や貿易会社を設立し、高級レストランを開業し、さまざまな分野に進出し、白人が住む高級住宅エリアに引越し、主流社会に仲間入りし始めている。 統計データによると、アメリカのアジア系ビジネスマンの中で、中国系住民の数が最も多い。20世紀90年代いらい、カリフォルニアのシリコンバレーのハイテク産業の台頭により、中国人のエンジニアやソフトウェアのデザイナーが需要に応じきれないほどモテモテとなっている。サンフランシスコ湾エリアで働いているハイテクエンジニアのうち、中国系の人たちはその33%を占めた。関連データによると、中国系住民家庭の平均所得は全米のそれを上回っているので、中国系住民の消費力や市場の将来性がより重視されている。大手会社は中国系住民の市場に進出することを目指しているので、中国語系メディアはかけ橋のような重要な役割を果たしている。 発展のパターンはいろとりどり 当面、中国語新聞はアメリカの中国語系メディアの主体をなす。アメリカで発行されている四種類の主流の中国語新聞、つまり『世界日報』、『星島日報』、『明報』、『僑報』の総発行量はすでに70万部を突破している。そのうち、『世界日報』と『星島日報』の発行量はアメリカの英語主流新聞に比べても、上位20位ぐらいにランクされている。 アメリカでは自動車の普及率が高く、車を運転する際にラジオ放送を聴くことを習慣とする人が非常に多いので、ラジオ放送はアメリカで最も普及しており、最も個人化したメディアである。近年、いくつかの中国語ラジオ放送局はこうした機運に応じて発足しており、例えば、ロサンゼルスの「ロサンゼルス?バイリンガル?ラジオ放送」、「ロサンゼルス中国語ラジオ放送」がそれである。 アメリカの中国語テレビ番組もかなりの発展を遂げた。2004年、中国中央テレビ局(CCTV)とアメリカの二番目のデジタル衛星テレビ会社であるエコスター(Echostar)が提携して、中国語のテレビ番組「万里の長城プラットフォーム」(セット)を打ち出した。これは標準語チャンネル12、広東語チャンネル2、福建省南部方言チャンネル1、英語チャンネル1、スペイン語チャンネル1、フランス語チャンネル1からなるもので、全方位から今日の中国を紹介するプラットフォームである。これはさまざまな地域からの中国系視聴者のニーズを満たすほか、アメリカの英語、スペイン語、フランス語の視聴者たちに、中国を紹介する窓口ともなっている。 |