北京で最近流行しているのが、「車の共用」、「部屋の共用」、「食事の共用」、「化粧の共用」、「洋服の共用」を行う「共用族」だ。北京の「共用族」は、大都市での生活を背景に出現した。中国新聞社が伝えた。 黄コウさんは市内東側の朝陽区に住み、会社のある西側の中関村まではるばる出勤している。黄さんは「車の共用(相乗り)」を始める前は自分の生活がつらかったと言う。「バスは遅すぎるし、地下鉄は混みすぎている。車を買うにも高すぎるし、タクシーは面倒くさい。大都市で仕事をするのは不便すぎる」車の相乗りに話が及ぶと黄さんの気持ちも高まる。「経済的だし、便利。乗り心地も良い。しかも新しい友人ができる。実は彼女も相乗りの仲間なんです。今年末に結婚します」 北京の住宅価格の高さには、誰もがしり込みしてしまう。家賃も高く、仕事を始めたばかりの新卒者にとっては頭が痛い問題だ。そこで卒業したばかりの応明さんは、クラスメートの仲間と3人で「部屋の共用(相部屋)」をした。これで1500元の部屋代も3分の1となり、たくさんのお金を節約できる。応さんは言う。「相部屋はお金の節約になるだけでなく、大勢で住むからにぎやかで、ふだんの生活においても互いに助け合うことができます」 応さんは他にも、「共用」生活を送っているという。昼は職場の同僚と一緒に「食事の共用」。つまり大勢で一緒に食事をし、食事代は割り勘にする。夜は家に帰り、ルームメイトと順番で食事を作る。応明さんは「生活費がかさむので、しかたなくこうして節約しています」と言う。 大学生たちの「共用族」の生活はますます多彩になっている。中国伝媒大学に通う楊瑩さんはクラスメート15人と一緒にプールの年間使用チケットを買った。楊さんによれば、年間使用チケットは1枚千元以上と、学生にはとうてい買うことができない値段だ。しかも、毎日泳ぎに行けるわけでもない。一緒に買うというのが一番経済的だという。 林業大学を今年卒業する林密さんもルームメイトと「洋服、化粧品の共用」生活を行っている。林さんは言う。「あと1年で卒業だから、みな仕事探しで忙しい。面接のときはスーツがいるし、良い化粧品は高くて買えない人もいる。仕方なく「共用」しています」 「共用」生活についての社会学者の分析はこうだ。「現代都市において、頭の良い市民は限りある給料で質の高い生活を送ろうとする。「共用」消費方式は成熟した消費方式だ」 「共用」生活は、大都市効果の産物だともいわれる。消費が多くなる中で、人々は「新?集団主義」生活を送るしかないというわけだ。「共用」生活は「個人主義」の排除につながるだけでなく、「共用族」による節約、環境保護意識によって、日に日に減少する資源を節約することにもつながるだろう。 「人民網日本語版」2006年9月11日 |