社会生活環境の変化が与える子供達へのストレスは大きく、そのために生じる心理上の問題が日増しに増加している。 統計データによると、少年児童の異なる年齢段階で程度の異なる行為障害を経験している者が15%にも達している。さらに意外なことは、彼らの70%が文化レベルの高い家庭の子女だということである。専門家は、両親は彼らの身体的健康を考慮すると同時に、彼らの心理的健康も考慮する必要があることを忘れてはならないと警告している。 今年8歳になる涛涛の両親は、二人とも海外留学して帰国した会社の高級管理職であり、家庭条件はかなり恵まれている。しかし、涛涛は小学校3年生になったとき、友達と遊ばずに一人でぼんやりする孤独癖が顕著となった。ひどい時には「生きているのは面白くない、死んだほうがましだ」と言うようになった。 涛涛の余暇生活は、両親の手配でピアノ、絵画、サッカーなどでビッシリ詰まっていた。こうした余暇活動が涛涛にストレスを与えていたのだが、両親はまったく理解していなかった。 広州市脳神経科病院児童心理診療部の徐麗萍博士は、「現在、児童行為障害の病因はまだハッキリ分かっていません。一般的には遺伝の他に家庭教育、社会環境が関係すると考えられています。例えば、両親の行為が比較的粗暴である或いは子供が暴力的なテレビ番組或いは写真に接触することによって発生する児童心理障害もますます増加してきています。したがって、家庭教育は子供の心を育てるために非常に重要な役割を担っているのです。」と説明している。 文化レベルが高ければ高い家庭ほど、子供は行為障害に陥り易い。広州中山三院児童教育センターの鄒小兵主任は、「 診療に来た子供の7割が文化レベルの高い家庭の子供で、文化レベルの低い家庭の子供は3割に過ぎません。文化レベルの高い両親は、子供に対する期待度が高く、自然に子供に与えるストレスも大きくなってしまいます。もし教育の方法が不適切であれば、子供に拒絶、反抗的な心理が芽生え、ひどい場合には両親と衝突してしまい、その矛盾が解決できなければ、彼らは現実逃避の態度をとることになります。その目的を達成するために、切羽詰って向こう見ずな行為に走るのです」と説明している。 「チャイナネット」2006/06/12 |