税関総署総合統計司の張麗川司長はこのほど、経済誌の「中国税関」と「商務週間」が北京で共同開催した「中国対外貿易200強高層フォーラム」で講演した。張司長は第11次五カ年計画(2006ー10年)期間は、中国が貿易大国から貿易強国へ変わる重要な時期であり、対外貿易をめぐる新たな状況や問題の解決に着手する必要があると指摘。重視すべき課題として次の4つを挙げた。 (1)国際市場が飽和状態に向かいつつあり、中国の輸出増は圧力に直面している。2005年の輸出額は世界3位で世界全体の7.3%を占め、第9次五カ年計画の最後の1年(2000年)の3.9%に比べて3.4ポイント上昇した。05年の輸出額上位10カ国のうち、輸出増加率では中国が他の9カ国をはるかに上回り、世界全体の輸出増加率の13%も上回った。中国の輸出の伸びは、今後ますます国際市場の制約を受けるとみられる。 (2)中国対外貿易の発展はコスト高騰期にさしかかり、労働力コストや資源コストの負担も高まりつつある。これまでは安価な労働力が労働集約型製品の優位性を支えてきたが、近年、一部地域では出稼ぎ労働力が不足している。これは労働価格の見直しの必要性を暗示するものであり、労働者の福利厚生を犠牲にすることで輸出製品の価格的優位を得るという、従来の手法の是正が必要になっている。過去2年間、エネルギー消費や環境負担が大きい製品、資源型製品に対し、国は輸出調整を強化しており、環境?資源面の圧力が輸出増を制約する主因となっている。 (3)国際貿易における保護主義が強まりつつあり、中国にとって、対外貿易の発展に向けた外部環境は厳しさを増している。反ダンピング提訴の件数は、中国に対する案件が世界最多を占め続けている。 (4)対外貿易の不均衡が激化し、人民元相場が上昇期に突入したことで、対外貿易企業はより多くの為替リスクに直面するようになった。今後しばらく強まるとみられる人民元上昇圧力も、企業に新たな課題や試練を突きつけることになる。 「人民網日本語版」より 2006-7-4 |