新疆ウイグル自治区を流れるタリム川の管理局によると、生存環境の悪化により、長年姿を消していたユリカモメを今年の夏から再び目にすることになったばかりか、天地を覆うほどの数万羽のユリカモメが群れをなして飛んでいる様子は地元の一景となっている。 今年6月の初めごろから、タリム川上流の湿地では、ユリカモメが毎日もたわむれており、多くの観光客の目を引きつけている。林業部門の調査によると、ここに生息するか或いは一時飛来している渡り鳥は10万羽を上回り、ユリカモメ、野生の鵜(う)、シラサギ、雁など10種以上がここに「安住」の地とするようになっている。 地元の人びとによると、これ以前の群れをなすユリカモメを目にすることができたのは1990年代の初期であった。1980年代末期から人口の増加で灌漑用の水の使用が大量に増えたため、タリム川の下流数百キロの区間は一時期干しあがってしまい、上流の湿地も日増しに縮小することになった。 2000年から、新疆自治区はタリム川に人工で導水し、下流区間の水枯れに終止符を打った。それによって、天然の植生が20数万ムー(15ムーが1?)も回復し、砂地面積が3万?以上減り、植生カバー率が大幅に向上した。 新疆のタリム川は中国で一番長い内陸河川であり、全長1300キロ以上で、流域面積は102万平方キロ、水資源総量は400億立方メートルで、黄河の流水量を上回る。タリム川流域の天然オアシスはタクラマカン砂漠の拡大を防ぎ止め、人類の生存環境を保護する天然の障壁となっている。 「チャイナネット」2006/07/26 |