外資の導入は中国の対外開放という基本国策の重要部分であり、社会主義市場経済を確立する上での実践行動の一つとなっている。外商投資企業(外資系企業)は中国企業の一部とみなされ、所有制経済と非公有制経済が合わさった一つの形式であり、社会主義市場経済の重要な構成部分だ。対外開放を行う際には、外資の利用をゆらぐことなく行っていくことが必要となる。 外商投資を奨励すること、および外資利用政策と国家の現段階での経済発展目標とを結びつけることは、すでに先進国を含む世界各国にとって、経済のグローバル化に参与し、経済発展を促進し、就職難を緩和するための共通の選択肢となっている。経済グローバル化の進行と、社会主義市場経済体制の改善にともなって、中国の外資利用をめぐる国内外の環境は大きく変化しつつある。経済のグローバル化によって資本が国際的に流動し、生産活動の国際化が促進された。サービス貿易、サービス?アウトソーシング、高付加価値のハイテク製造工程の移転は、世界的な構造調整の主流になっている。従来型製造業の転換も深まっており、多国籍企業の研究開発事業は明らかに国際化、現地化に向かっている。海外直接投資の増加という新情勢は、外資の質的向上と経済構造の改善をもたらし、中国は急速な発展への大きなチャンスを得た。全面的な開放が進むにつれ、とりわけ世界貿易機関(WTO)加盟以後の新しい情勢下において、中国国内市場と国際市場のつながりは日に日に緊密になっている。国内経済?国際経済が互いに与える影響も拡大した。これらは全て中国の外資利用の拡大にとって有利な環境を作り出しており、また、われわれの外資利用業務の向上も要求されるようになった。 中国は現在「小康社会」(ややゆとりある社会)の建設段階に入っており、国の基本方針の一つである「社会主義現代化建設」を推し進める肝心な段階にある。一大発展途上国として、国内資源、技術、人材、資本などが不足するという状況の中、世界経済構造の新調整というチャンスを逃さないためにも、経済の全面的発展という新しい目標を実現して、これまで以上に積極的にグローバル化を進めなければならない。国内?国外という2つの市場、2種類の資源を十分に活用し、激しい国際競争の中で主導権をとり、中国経済のより速く、よりよい発展を推し進める。中国経済社会発展における対外開放の重要な役割を十分に発揮させ、経済グローバル化の新たな発展、中国の改革開放、現代化の新しい情勢と新しい任務にうまく適合していかなければならない。また、世界的な戦略意識を確立して、国際的な経済技術提携と競争に積極参与する。対外開放レベルを全面的に上げ、外資利用の質を高めるとともに、先進的な技術や管理経験、ハイレベル人材を積極的に導入して国内産業構造と技術レベルを向上させ、地域間のバランスの取れた発展、企業の新たな改革、創造力の強化を促進する必要がある。 「人民網日本語版」2006年8月10日 |