世界遺産でもある北京の故宮博物館が、2003年から市場化への取り組みをスタートさせました。これまでの取り組みでは、まず管理体制の改革を実施しました。去年、故宮博物館では、従来の観光客の受け入れを担当する事業部門の他に、経営管理課という新しい課を設け、市場化を担当する産業部門を作りました。 そして今年になって、市場化の目玉事業とも言える「故宮」とか「紫禁城」という名前の商標登録を実現させました。現在、「紫禁城ラーメン館」とか「紫禁城結婚相談所」など、これらの名前を使っている店がありますが、商工局では、これらの店の名前を変えることを求めるかどうか、今年の後半にも法律に従って決めることにしています。 また市場化への取り組みの一つとして、著作権保護の取り組みも強化する事にしています。去年、故宮80周年の記念事業として大型記録映画が制作されましたが、上映前から海賊版のDVDが出回っていたということで、今後はこうした事を防ぐ手立てを考えることにしています。 市場化のもうひとつの大きな柱は、観光客が買いたくなるような新しい記念品を開発することです。今販売されている記念品は、種類は余り多くないし、値段も高いものが多いと不満も聞かれます。市場化問題を担当している故宮博物館の責任者も、今の記念品は、他の国の有名な博物館のものと比べると、見劣りがすることを認めています。現在、故宮博物館の収入は、入場券の収入が年に3億元から4億元ありますが、記念品や出版物の販売による収入は数千万元程度しかありません。こうした関連商品の収入を増やすためには、魅力的な記念品の開発が必要になってきます。 市場化によって経営体質を強化すると同時に、一段と観光客にも喜ばれる博物館を目指してもらいたいものです。 「CRI」より 2006/08/22 |