近年の中国南部地区ユーカリ人工林の発展は、山間区の農民の増収を促進したばかりではなく、中国の木材不足、パルプ不足を緩和している。2010年までに中国のユーカリ人工林面積は250万ヘクタールに達し、パルプ原材料の供給は国内自給量の50%以上を占めるようになる見通しで、南部地区のユーカリ人工林の大発展は、中国現代製紙業、現代林業の必然的な選択となっている。 ユーカリの原産地はオーストラリア及びその付近の島々で、痩せた土壌、乾燥した気候条件で成長するため、降雨量の少ない南アフリカ、乾燥地区が多いインドでも主要な木材としてユーカリが選択されている。中国へのユーカリの導入はすでに100年以上の歴史があり、現在、南部地区のユーカリ人工林は150万ヘクタールにまで発展しており、森林蓄積量は3000万?を超えている。 広西チワン族自治区には中国最大のユーカリ遺伝子ストック、ユーカリ優良種繁殖基地がある。広西チワン族自治区林業局科技処処長の龐正轟博士は、「ユーカリは基本密度が高く、優良な人工板原材料となります。現在、ユーカリ材を利用してベニヤ板、ファイバーボードを生産しています。ユーカリはパルプ化率が高いので、優良なパルプ生産材でもあります。またユーカリの葉からはユーカリ油が採油でき、日用化工に用いられていますし、良質の木炭にもなるのです。 中国は1990年からパルプの輸入を開始しましたが、2010年には輸入量が3000余万tになり、パルプ材の供給不足は740~2055万?に達すると推計されています。南部地区では松の伐採周期が長く、病虫害の影響が深刻ですが、ファイバーボード生産のための松に対する需要は増加し続けているし、パルプ材の供給増には限界があります。タイワンアカシア、木麻黄は植樹適応範囲が限られているため、大面積の植林が不可能です。これもパルプ材生産量増加要求がユーカリに求められている要因です」と説明している。 「チャイナネット」2006/08/23 |