万里の長城は世界的にも有名な文化遺産として、長年人々の注目を集めています。しかし、中国国内にある長城の長さはいくらか、また保護活動の現状はどうなっているかなどの問題について、中国の文物保護協会の専門家にも分かりません。このため、現在関係部門は大規模な長城の測定活動を始めました。 北京の郊外あるいは周辺地域では、何ヶ所もの長城の遺跡が残されています。このことから、長城観光に行きたい国内外の観光客はまず北京を選びます。中国文物保護機構の長城測定活動は、北京から始められたものです。 訓練を受けた専門家は北京にある長城のすべてを測定しています。測定のデータには、長城の長さ、高さ、年代や建築の特徴などが含まれています。調査が終了後、北京にある長城についての詳しいデータを出して、遺跡の保護に良好な基礎を作ります。 北京市文物局の梅寧華局長は「文物保護の面から、ここ数年、長城の大規模な修復を行った。今年の資金投入は2、3千万人民元ぐらいの予定だ。全体的に見れば、北京の重点的な文物を修復する力を強化しており、市レベル以上の文物を保全する」と紹介しました。 中国北方に位置する歴史が一番古い万里の長城は紀元前7世紀ごろに修築されたものが多いのです。その後の2000年余りで、各年代にはそれぞれ増築活動などが行われました。 中国人は長城のことを「万里の長城」といいます。この「里」というのは中国独特の計算方法です。2里は1キロに当たります。しかし、長城の長さはどれぐらいあるのか、今まで詳しい資料がありませんでした。中国長城学会の董躍会秘書長は「北京市内にある長城は明の時代に修築されたもっとも代表的な部分である。このため、その測定は重要な意義がある。保護するにはまず文物を詳しく知る必要がある。具体的には、長城の長さや保護状況などを知らなければならない。保護プロジェクトは今年北京からはじめ、これは全国の保護活動にいい経験を与えるだろう」と述べました。 ところで、最近長城の自然風化あるいは人間による悪影響もひどくなっています。特に長城の付近では、観光、居住、商業施設などが盛んになっており、長城周辺の景観にも影響を及ぼしました。このため、国家文物局は今年から長城の保護プロジェクトを始めました。目標は、10年間で長城について調査を行い、実施可能な計画を作成し、長城の保護管理システムを設置します。 董躍会秘書長は「マスコミはよく人間による長城への破壊事件を報道している。しかし、懲罰されるケースは少ない。これは長城の保護にとてもよくない。長城は独特の文化遺産として、広い地域にまたがっているため、対応する法的保護も必要である。今のところ"中国長城保護管理条例"は、国務院法律弁公室に提出され、検討段階に入った。長城保護法の制定で全国の長城保護活動を推進することを信じている」と話しました。 首都として、北京の長城保護活動はほかの地域より先に行われています。すべての活動は来年までに完成する見込みです。 「CRI」より 2006/04/11 |