50年前の1956年4月、第23回卓球世界選手権が東京で行われた。この大会で中国は、建国後初の国家代表を派遣した。このときから、中国の「卓球王国」への歴史が始まり、そして同時に、中日両国の「卓球交流」の歴史が始まったのである。 当時、日本は世界最大の卓球王国。その日本を最大のライバルとして、中国は日本に追いつけ追い越せと、日本から学び、日本と競争し、そしていつしか世界頂点に上った。中日の選手たちは過去の世界大会で熾烈な試合を戦った。日本は中国に負けまいとし、中国は日本を是が非でも倒そうとした。そして、そんな激烈な試合を戦ったからこそ、中日の卓球選手たちの間には、時間と国の違いを越えた深い友情が生まれたのである。 中国の「初国際試合」から50年がたった。今年3月31日、両国の「卓球友好50周年」を記念するため、かつての"英雄"たちが北京に集った。日本側訪問団の団長は国際卓球連盟副会長でかつての世界チャンピオン、木村興治。さらに高橋治、角田啓輔、山崎君代などかつての世界チャンピオン12人を含む、オールド卓球ファンが泣いて喜ぶメンバー。 一方、北京で彼らを迎えたのは、徐寅生、李富栄。これまた"中国卓球界の王?長嶋"といっても過言ではない強烈な面々である。 60、70歳を越えたかつてのヒーローたちは、白髪が混じり、見た目も少し老いたが、しかし彼らの間の友情は変わらなかった。両国の元選手たちは、再会を果たしたその瞬間から、50年の時を越えて、旧交を温めあった。中国と日本の国家の名誉をかけて死にものぐるいで戦った、あの当時の試合のことを微笑みながら語り合う。そこでは国の違いなど関係なく、ただ卓球というスポーツを通じたスポーツマン同士の理屈を越えた絆があった。 50年前の世界選手権東京大会の選手だった角田啓輔さんはこう言った。「中国と日本、卓球の世界では過去の歴史の中でも今が最も素晴らしい関係で結ばれているのではないか。」 今回の訪中目的について、木村団長は「まず私たち自身が50年の歴史を振り返ること。そして今、卓球をしている少年少女たちに歴史を知ってもらい、先輩たちのやったことを引き継いでもらうこと」と語った。今回の訪問団には卓球をしている子供たちも参加している。 今後は、毎年卓球の交流イベントを開き、そして日本からどんどん中国に選手を送り出して「第2の福原愛」を生み出していく。そして中国から、優れた卓球技術をどんどん吸収していく??そう木村団長は付け加えた。 その福原愛も、大先輩たちのいるこの場に、滞在先の広東省からかけつけた。「自分が卓球をすることで、中日友好に少しでも役立てるなら喜んでがんばりたい」と抱負を語った。今は中国卓球最高峰のスーパーリーグ広東省チームに所属。まもなくドイツでの世界選手権団体戦も控えている。 50年の長きにわたって続いてきた卓球交流。この最良の中日関係が、もっともっと他の場所に広がっていけば??。ヒーローたちの築いてきた歴史を今度は次の世代が受け継ぐ番だ。 「CRI」より 2006/04/14 |