衛生部の毛群安報道官は28日、一部欧米メディアが「中国の鳥インフルエンザのデータは疑わしい」としていることについて、鳥インフルエンザ感染状況に関する中国政府の発表に虚偽はないと、重ねて説明した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。 米紙「ウォールストリート?ジャーナル」アジア版は27日、「中国の地方政府の一部関係者が、鳥インフルエンザと疑われる病例のデータを隠している可能性がある。中国における鳥インフルエンザでの人間の死亡例は、政府発表の12人を超える可能性がある」と報道していた。 毛報道官はこれに対し「地方で発生している病例は診断後、可及的すみやかに公表されている。感染情報の発表は迅速に行われており、公開され、透明だ」とした。さらに、これまで中国で鳥インフルエンザに感染した18人をめぐる経緯については「感染の疑いが最初に見つかった医療機関での報告が、あまり迅速ではなかった。原因の一つは意識不足だ」と指摘。衛生部は対策として、地方医療機関に鳥インフルエンザ予防意識を高めるよう求め、疑わしい病例が見つかった場合は迅速に報告するとともに、疑わしい病例すべてを真剣に遺漏なく調査するよう、再三指示を出しているという。毛報道官はその上で「ただし、1人目の鳥インフルエンザ感染例が見つかって以来、中国はすべての感染例を対外的に発表しており、隠蔽の事実はない」とした。 衛生部は25日、原因不明の肺炎が見つかった場合は、ネットワークを通じて直接通報するほか、現地衛生部門にも報告するよう求める通達を出した。衛生部門は報告後、ただちに専門家チームによる確認、診断、スクリーニング検査を行う。通達ではさらに、法定伝染病と疑われる原因不明の肺炎による死亡者について、法に基づき遺体の解剖検査を行うよう求めている。 昨年11月以降に中国で鳥インフルエンザと診断された人は18人で、患者12人が死亡した。世界保健機関(WHO)の統計によると、4月21日現在、鳥インフルエンザと診断された人は205人で、うち113人が死亡した。 「人民網日本語版」2006年4月29日 |